電気設備設計の基礎知識 | 幹線・配管などの選定方法や計算根拠について解説

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電気設備設計の基礎知識

電気設備設計における電気計算の基礎となる、幹線設計とケーブルの選定方法、配線器具の計画、電線管の種類と使い分けといった、電気設備設計技術の基礎知識を学ぶカテゴリー。

配線器具の選定方法のほか、A~D種接地工事の使い分け、電動機の保護リレー・配線用遮断器の選定方法、電灯分電盤や動力制御盤の設計手法など、電気設備に携わる初学者がつまづきやすい分野を解説する。

電圧降下の計算を基礎とした幹線の選定方法、埋設配管の基準とハンドホール設計の基礎知識など、大規模施設にも対応できる全般知識の解説を含んでいる。ケーブルラックや電線管、ワイヤリングダクトなど、配線ルートの構築に関わる手法のほか、法的な規制事項や、合理的な選定方法にも言及している。

分電盤の表面の写真

電気設備の設計技術

電力を示す単位に、W(ワット)とVA(ホルトアンペア)がある。どちらも電気設備の分野では一般的に使用する単位である。単位の違いと使い分けを解説する。ワットという単位は
電圧は、基準点からの電位の差である。電圧の高さは電位の位置エネルギーと同意で、送電時においてはP = IRで示される電流・電圧の関係式により、同じ電力を送る場合は電圧が高いほど電流が…
電圧とは、電位・電位差を意味しており、基準点となる電位との差を示しているが、電線で長距離敷設をするなどを理由に、電圧は末端に近づくほど降下する。電圧は、回路に電流を流そうとする力の大きさで…
建築電気設備の目的は、建物居住者または利用者が、便利で安全に建物を利用するためにある。建築は空間だけでは成り立たず、給排水、空調換気、電気が適切に設置されることが必要である。建築物を人体に置き換え…
許容電流とは、電線やケーブルに流せる電流の最大値である。電線やケーブルに電流を流すと、導体が持つ若干の抵抗によりケーブルが発熱する。この発熱により、電線が劣化したり被覆が溶融するため…
幹線設備は、変電所や電気室に設置された配電盤から、EPSの分電盤や動力制御盤に至るまでの電路である。幹線は、大きな電力を供給することが多く、ケーブルサイズが大きくなり、場合によってはバスダクトの…
短絡とは、電気が流れている導体同士が接触し、負荷抵抗が電線抵抗のみになった状態である。100V回路でいえば白線と黒線が接触した状態であり、単に「ショート」とも呼ばれている。回路が短絡状態になった場合…
接地とは、電線管や金属製の外箱、電気回路の中性線などを大地に接続する電気工事のひとつである。その役割によって、強電用や弱電用、通信用というように用途別に分類されている。大地は非常に安定した電位を持っているため…
需要率は、その系統における需要電力と供給可能な最大電力を比率化したものである。変圧器容量や分電盤の主幹、供給ケーブルサイズを選定する際に使用する要素で、需要率が高いほど、設備の稼働率が高い状態と…
電気設備における絶縁とは、電気が流れる部分とその他の部分に、電流が流れない状態である。絶縁電線の場合、内部心線に流れる電流は、絶縁物を介しているため抵抗があり、この絶縁体に触れても…
塩害とは、電気機器の表面や内部機器に対して、塩分を含む風や雨、汚れなどが侵入し、腐食や錆が発生する被害である。塩害によって盤類の表面が発錆してしまうと、電気機器の絶縁が劣化することになり…

幹線・電灯コンセント設備設計の知識

コンセントは、プラグ等で差込み接続して電源を確保するための機器で、建築物の電気設備としては100Vから200V、業務用の動力200Vなどが広く使用されている。住宅を例にして…
サーマルリレー(thermal relay)とは、バイメタルとヒートエレメントが内蔵された保護継電器である。熱によって動作するため「熱動継電器」とも呼ばれている。電動機に電源を供給する動力制御盤を…
サーモラベルは、電気機器等の発熱管理のために使用するシールで、電気設備分野では主に、盤内配線の異常発熱による事故防止用として使用する温度管理用ラベルである。温度によって色が変化するため…
リモコンとは照明器具などを遠隔操作でオンオフできるスイッチのことで、生電源を入り切りせず、信号線によってオンオフを行うものの総称を呼ぶ。電源ケーブルを延線して遠方の…
融雪設備には、凍結路面をヒーターで融解する「ロードヒーティング」、庇に発錆する「つらら」や落雪を防止する「笠木ヒーター」、竪樋や排水管凍結防止の「ドレンヒーター」などがある。寒冷地では…
電動機には、誘導電動機、直流電動機、同期電動機、整流子電動機があり、それぞれの動作特性はまったく違っており、用途や目的によって使い分けられている。これら電動機は、直流電源で駆動する…
電動機を始動させる場合、小型の電動機であれば電圧をじか入れ(電源を単純に投入)するだけで、問題なく立ち上げ可能である。このとき、定格速度まで電動機が加速する間、定格で運転するときよりも負荷が大きくなっているため…
電気自動車は、電気駆動のモーターを動力源にしている自動車の総称で、車載の蓄電池から電力を供給してモーターを駆動させている。電気自動車はEV( electric vehicle )とも…
開閉器は、電路を開閉する装置である。通常、開閉器は単純に電路を開放・接続するための装置となっており、事故電流を遮断するような保護機能は期待できない。電路充電中の負荷電流を開閉でき、異常電流が発生している際に投入ができるという機能を…

配管工事を伴う配線ルート確保の設計

アウトレットボックスは、電気工事におけるケーブルや電線の配線工事で、配線の分岐、接続に用いるために用いる。本体は鋼製またはプラスチック製となっており、防火区画に設ける場合は金属製の指定が…
ケーブルラックとは電力幹線や通信幹線に用いられる各種のケーブルを、整然と並べて敷設するための部材である。ケーブルを直接敷設する「ケーブル工事」は、金属管や合成樹脂管に電線を収容する工事と…
ターミナルキャップは「水平に展開」した電線管の管端に取付け、電線管の末端から取り出す電線の保護を行うために使用する、電線管付属材料である。類似品として、エントランスキャップがあり…
バスダクトは電力幹線用の部材として使用されるほか、大電流を流す必要がある「変圧器二次側の主幹線」にも用いられる電力用幹線部材のひとつである。変圧器の二次側母線は数千アンペアの電流が流れるため…
ハンドホールは、地中管路埋設工事においてケーブルの挿入、撤去を行うための中継用として使用される地中箱である。現場でコンクリートを打設して構築することが稀にあるが、民生用であれば…
プルボックスは、配線を収容した電線管の接続部に設けることで、電線やケーブルを分岐させたり、敷設を容易にするために設置する接続箱である。電線を交差させたり曲げを行う場合には、プルボックスを設けることで…
メッセンジャーワイヤーは、ケーブルを架空配線する場合に、ケーブルに張力が掛からないために敷設するワイヤである。電線の固定だけでなく、照明器具を吊り下げるために使用することもあり…
ケーブルや絶縁電線を収容するための電気材料のひとつである。筒形状をしており、金属製のため外部からの衝撃に対して強いという特徴がある。メタルモールは、電気設備技術基準上「一種金属線ぴ」に該当するため…
ワイヤリングダクトは金属製の配線用ダクトの事である。ケーブルダクト・金属ダクトと呼ばれることもある。金属ダクトの内部には多数の電線を敷設できるため、主にキュービクルからの取出部に使用され…
電線管は、絶縁電線を衝撃や張力から保護するための配管で、ケーブル保護にも用いられる。金属または合成樹脂を材料とした電気材料のひとつである。電線類の衝撃保護、電線類を隠ぺいすることによる美観の向上…

電灯分電盤・動力制御盤の設計と計画

ソーラータイマーとは、タイムスイッチ内部に全国の地域ごとの「日出」と「日没」の時間が登録されており、季節によって日出・日没時間が違う日本の特徴にあわせたオンオフ設定が…
タイムスイッチとは、所定の時間が到来したタイミングで接点をオンオフするもの、または所定の時間に接点を開放または閉止するための信号を送信する制御機器である。タイムスイッチ本体に大きな電気容量を確保し…
分電盤とは、配線用遮断器や漏電遮断器といった各種ブレーカー、電力量計(電力メーター)、リモコンリレーやタイマーの制御装置を収容した、金属製またはプラスチック製の収容箱である。電力会社から受電した電力を…
動力制御盤は、三相負荷に電源を供給するための盤であり、動力負荷を運転させるための制御機器や装置を内蔵している。排水ポンプの液面制御、換気ファンの発停・故障警報、制御装置への電源送りは、動力盤を拠点にして…
電力量計は、その系統の電路で使用した電力量を測定するための機器で、積算電力量計と呼ばれるものである。電力量計は一般に、電気メーターや電力メーターといった呼び方もされている。電力量計を経由して流れた電力を数値として表現でき…
電路は、大地と常に絶縁状態を維持しなければならない。経年劣化による絶縁不良、人為的ミスによる損傷、自然災害など、多くの要因で電気事故が発生するため、これを保護する設備の設置が義務付けられ…

電気設備の関連法規

PCBとは、ポリ塩化ビフェニルとも呼ばれる化合物であり、209種類存在するPCBの同族体のうち、約100種類が電気設備の絶縁油に利用されてきた。PCBは熱に対し安定した性質があり…
電気工作物とは「発電、変電、送電、配電または電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物」と定義されている。この内、船舶、車両…
 
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電力ケーブル、通信ケーブル、光ファイバーなど数多く存在するケーブルの特徴を解説。
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受変電設備の設計、各種保護装置の選定方法、受変電設備を構成する保護リレーの種類と整定方法など。
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非常用照明、誘導灯、自火報、非常用発電機、防災用蓄電池など、災害発生時に使用する防災設備を学ぶ。
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