リモコンリレーの原理と仕組み | ワンショットとフル2線の違い

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リモコンとは、リモコンリレーとは

リモコンとは照明器具などを遠隔操作でオンオフできるスイッチのことで、生電源を入り切りせず、信号線によってオンオフを行うものの総称を呼ぶ。電源ケーブルを延線して遠方の部屋にスイッチを設置した場合は、リモコンとは呼ばないのが普通である。配線が接続されているリモコンはワイヤードリモコン、配線が接続されておらず、赤外線信号などを利用する場合はワイヤレスリモコンとされる。

従来はマグネットスイッチを盤内に組込み、タイマーや遠隔地に取り付けたスイッチでオンオフするという方法が主流である。フル2線方式(パナソニック電工製品)や中央監視による自動制御の各種装置が販売されている。

リモコンリレーは従来のマグネットスイッチに代わって、小型で操作が容易な遠隔オンオフ用の制御装置である。照明のオンオフに広く用いられている。

リモコンによる発停方式の種類と特徴

ワンショットリモコン方式

リモコンリレーから1本ずつ信号線を取り出し、リモコンに全ての信号線を集約する方式である。10個リレーを組み込んだ場合、10本の信号線がリモコンスイッチ側に来る。リレー台数が多くなると、信号線が多くなり盤内・盤間配線が煩雑である。

多重伝送リモコン方式

2本のリモコンリレー用信号線を直列につなぎ、信号を多重伝送させてオンオフを行うスイッチである。ワンショットリモコン方式と違い、配線が2本でよいためリモコンリレーの数が増えても、信号線数が少なく、盤内・盤間配線がすっきりとする。

多重伝送のため、リモコンリレー毎にアドレス(番号)を設定する。アドレス設定器や中央制御装置が必要となるため、コストは比較的高くなる。

リモコンセレクタスイッチ

リモコンセレクタスイッチは、リモコン制御されている回路を現地でオンオフするためのスイッチである。「リモコンスイッチ」とも表現する。照明制御装置で振り分けたアドレスを、現場でオンオフするための手元スイッチである。

リモコンセレクタスイッチは、複数のリモコンリレーをグループ制御できるので、一斉点灯や一斉消灯、フロアのみ点灯・消灯など、スイッチひとつで一括点滅できる。工場や事務所では、最終退出口の全照明オフスイッチに利用可能である。スケジュールやタイマー制御している系統を、強制的に点滅させたい際にも使用する。

オン状態のリモコンセレクタスイッチの写真

中央監視装置とリモコンリレーの連携

中央制御装置は、ビル管理用の中央監視システムを併用でき、中央監視に組み込むことでスケジュール運転やエネルギー管理を容易かつ正確に行う事ができる。

パソコンを管理室や防災センターに設置し、パソコンでスケジュール設定を行い、点滅管理や省エネルギー点灯などを一括制御することも可能であり、管理の一元化が容易である。大規模なビルや工場、商業施設ではリモコンを用いた照明制御システムが広く普及し、使用されている。

中央監視装置側で、リモコンリレーの信号を受信できる装置を設け、リモコン側からの信号によって中央監視装置を動作させる方式である。操作できる台数やグループ数などが限られる場合や、増設が困難な場合があるので、仕様をメーカーや専門技術者によく確認する。

リモコンリレーの概要

リモコンリレーは、リモコンセレクタスイッチや中央監視設備、照明制御盤などからの入力信号を受けて、オンオフ動作を行う接点をもつ継電器である。一つの配線用遮断器の下位に、数個のリモコンリレーをぶら下げて電灯分電盤内に組み込むことで、遠隔操作回路として使用できる。

考え方は壁付けの片切スイッチと同様で、分電盤内にスイッチが集約されているのと同じ。一個の遮断器に何個のリモコンリレーを付属させても問題ない。リモコンリレー個別に接点容量があるので、負荷を集約接続し過ぎてはならない。規定の電流値以下で回路分けをすることが重要である。

マグネットスイッチとリモコンリレーの違い

マグネットスイッチは、リモコンリレーが普及するかなり前から普及しており、遠隔リモコン用の機器として従来から使用されている。マグネットを用いた照明オンオフ制御をする場合、前述したリモコンリレーと同様に、一つの配線用遮断器の二次側に複数のマグネットスイッチを設け、中央監視設備や照明制御盤の外部信号を受けてオンオフ制御をする。

マグネットスイッチはリモコンリレーと比べても、寸法が大きく盤内で場所を取るため、盤の全体寸法が大きくなりがちである。対してリモコンリレーは外形寸法が非常に小さいため、多くの回路を区分しても、盤のサイズを小さく抑えられ経済的かつ省スペースである。照明やコンセント回路程度であれば、リモコンリレーを用いた計画としたほうが、安価になると思われる。

しかし、動力盤の場合は、機器動作時の始動電流や、負荷変動による突入電流による悪影響が懸念されたり、リモコンリレーではオンオフできない大容量機器が構成されたりするので、リモコンリレーよりもマグネットスイッチがまだ主流である。オンオフする負荷の容量や台数にリモコンリレーとマグネットスイッチを使い分けるのが重要である。

リモコンリレー信号線の各種注意

リモコンリレー配線は、弱電流線になるため、電力線と長距離並列配線されていると、誘導により誤作動を起こす。並列に敷設しなければならない場合は、30cm以上の離隔を確保する。もしくは、磁性体配管に接地を施し、その内部に敷設するなど、誘導からの影響を抑えて施工する。

家電のリモコンとの違いと、リモコンの雑学

「リモコン」という名称を使っているが、テレビやビデオデッキの「リモコン」とは違い、ワイヤード(有線方式)であっても、遠方からオンオフできるのであれば全てリモコンと呼ぶ。電波による操作をする機器という意味ではない。

家庭用で普及しているリモコンは、赤外線による信号を手元リモコンスイッチから機器本体の受信機に伝送し、各種操作を行うものである。テレビリモコン、エアコンリモコンなど、小型の遠隔操作器を利用するものの総称を言っている。ほとんどは、リモコンといえばテレビと言うほど普及している。

エアコンリモコンについて

エアコンリモコンの場合、エアコン本体は緊急時のオンオフ用スイッチが設けられているが、風量調整や温度設定の操作は、エアコンリモコンを使用して行うようになる。

エアコンリモコンは、有線(ワイヤード)の場合と、無線(ワイヤレス)の場合がある。エアコンの下部から配線が降りておりリモコンが付いているもの、テレビリモコンのように、ハンディタイプの操作器のもの、どちらも見たことがあるかと考えられる。

エアコンはテレビと違い、本体に操作ボタン等がほとんどないため、エアコンリモコンをなくすると本体からオンオフしかできない。こうなると、メーカーから同機種のエアコンリモコンを再度購入するか、エアコン用のマルチリモコン(温度設定や風量設定など、簡易操作が可能な汎用リモコン)を購入する。特殊機能がある高品位なエアコンの場合、全ての機能が満足されるものではないため、メーカー純正のリモコンを購入するか、リモコンを修理する。

 
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