高圧ケーブル終端接続部
高圧受変電設備において、6600ボルトの電力を供給する電力ケーブルを機器の端子に接続するためには、端末部分に特殊な処理を施す終端接続部という部材が必要になる。ケーブルの絶縁被覆を剥がした端部は、そのままでは電界が集中して絶縁破壊を引き起こすため、電界を緩和して安全に電気を流すための構造を形成しなければならない。
従来の終端接続作業では、作業員が絶縁テープを何層にも巻き付ける方式が主流であり、個人の技量によって仕上がりに差が出やすいという課題があった。現在では、工場であらかじめ成形されたゴムやシリコンの部品をケーブルに差し込むプレハブ工法が広く普及している。
これにより、電気室やキュービクル内といった限られた作業スペースにおいても、短時間で均一な品質の端末処理が可能となっている。日本国内においては、日本電力ケーブル接続技術協会が定める規格に適合した認定品を使用することが、設備の安全性を担保する基準として採用されている。
プレハブ工法と作業性の向上
プレハブ工法を採用した差込式の終端接続部は、テープ巻き作業を大幅に削減できるため、従来の工法と比較して作業時間を大きく短縮できる。端末本体と機器へ接続する端子が分離した構造になっており、狭い盤内での配線作業においてケーブルの取り回しが容易になる設計が取り入れられている。
部品をケーブルに挿入する際、従来は滑りを良くするためのシリコングリースを大量に塗布する必要があったが、材料の改良により完全グリースレスを実現した製品が展開されている。作業員の手や周辺の部材が汚れないため、挿入後の拭き取り清掃の手間が省ける仕様となっている。
ハンダレスによる接地処理
ケーブルの遮蔽層を処理して接地線を引き出す工程において、ワンタッチ構造を用いたハンダレス方式が採用されている。火気を使用しないため安全性が向上し、特殊な工具や熟練した技術を必要とせずに均一な接地処理が行える。
日本電力ケーブル接続技術協会の規格認定を取得した製品は、需要家側の屋内電気室やキュービクル内における標準的な部材として広く適用できる。通常の架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルだけでなく、環境に配慮した耐燃性ポリエチレン外装ケーブルや耐火ケーブルにも対応している。
基本構成は屋内用として設計されているが、専用の雨覆い部品を追加で装着することにより、屋外の雨水が直接当たる環境下であっても内部への浸入を防ぎ、安全な接続状態を維持できる。
求められる電気的性能
高圧ケーブルの端末処理材は、長期間にわたって高い電圧に耐えうる一定の電気的性能を満たすよう設計されている。国内規格に適合する製品は、具体的な性能評価として以下の項目に対する耐性が確認されている。
- 商用周波耐電圧:通常の運転電圧を大きく超える22キロボルトの電圧を60分間印加しても絶縁破壊が生じないこと。
- 雷インパルス耐電圧:落雷による異常電圧を模擬した85キロボルトの衝撃電圧に複数回耐えること。
- 部分放電特性:絶縁体内部の微小な放電が規定の電圧以下で発生せず、設備の劣化を防ぐこと。
- 長期課通電特性:導体温度が上昇する状態と冷却される状態を繰り返す通電試験に耐えること。
- 気密性:一定の圧力をかけた状態で、長時間の密閉状態を維持できること。












