圧縮端子
圧縮端子とは
圧縮端子とは、主に高圧ケーブルや特別高圧ケーブル、あるいは大電流が流れる太い電線の端末処理に使用される接続端子の一種である。円筒状のスリーブ部分に電線を挿入し、周囲から六角形などの形状に均等に高い圧力をかけて圧縮することで、端子と導体を一体化させる。
一般的な端子台への接続部分は、平らな羽子板状(パドル形状)になっており、接触面積を確保しつつ回転を防止するためにボルト穴が2つ(2穴)開けられているものが標準的である。
圧着端子との違いと優位性
電気工事の現場で最も一般的に使用される「圧着端子(JIS C 2805)」と「圧縮端子」は、施工方法と信頼性の面で明確な違いがある。
- 圧着接続(Indentation):突起状の歯で導体の一部に深い食い込み(くぼみ)を作り、その点での接触圧力を高める方式。安価で施工が早いが、素線の一部に機械的なストレスがかかりやすい。一般用低圧電気設備や、細径の高圧設備で使用される。
- 圧縮接続(Compression):スリーブの周囲全体から均等に圧力をかけ、導体全体を押し固める方式(六角圧縮など)。導体密度が極めて高まるため、電気抵抗が小さく、熱伸縮による緩みも発生しにくい。また、素線への局部的なダメージが少ない。
この特性から、圧縮端子は圧着端子に比べてコストは大幅に高いものの、信頼性が最優先される重要設備には不可欠な部材となっている。
主な用途と適用サイズ
圧縮端子は、主に14sq程度の中サイズから、400sq〜1000sqを超える超大型サイズまで幅広くラインナップされているが、大電流・高電圧分野での採用が多い。
高圧・特別高圧受変電設備では、6600V以上の高圧ケーブル(CVTケーブルなど)の端末処理にて、圧縮端子と圧着端子が標準的に使用される。接続不良による発熱は絶縁破壊や火災に直結するため、長期的な接続信頼性が求められる。
大電流母線・発電機では、発電所の発電機出力端子や、変圧器の二次側渡り線など、数千アンペアを超える電流が流れる箇所では、わずかな抵抗値の増加も大きな電力損失と発熱につながるため、導体密度を高められる圧縮端子が採用される。中小規模の発電機等では圧着による接続も広く用いられている。
施工上の重要管理ポイント
圧縮端子の施工には、一般的な手動圧着工具ではなく、高出力の油圧式圧縮工具が必要となる。施工管理においては以下の点に注意を要する。
圧縮端子は、電線サイズごとに定められた専用の「ダイス(圧縮型)」を工具に装着して施工する。このダイスの選定を誤ると、圧縮不足による抜けや発熱、あるいは圧縮過多による端子破損を招く。必ず端子メーカーが指定するダイス番号(対辺寸法)と合致していることを確認しなければならない。
圧縮施工後、スリーブの合わせ目に金属の出っ張り(バリ)が生じることがある。高圧絶縁において鋭利な突起は電界集中(放電)の原因となるため、やすり掛けによって滑らかに除去する仕上げ作業が必須となる。
アルミニウム導体用など特殊な圧縮端子の場合、酸化皮膜による接触抵抗増大を防ぐため、スリーブ内部に接触補助剤(コンパウンド)が充填されているものを使用するか、施工時に塗布を行う必要がある。












