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レースウェイ

レースウェイは、内部に電線を収容する配線ダクトとしての役割と、照明器具を物理的に支持する役割を兼ね備えた金属製の支持部材である。天井の鉄骨やコンクリートスラブから吊り下げて敷設し、任意の位置に照明器具を取り付けることができる。主に工場や倉庫、駅のホーム、立体駐車場など、主に天井が設けられていない空間における照明設備用の指示部材として広く採用されている。

照明器具の追加や移設が容易な構造となっているため、施設のレイアウト変更や作業内容の見直しに伴う照明環境の変更にも、臨機応変に対応できるのが大きな特徴である。

照明高さの調整と障害物の回避

天井が高い建築物において、照明器具を直接天井の構造材に取り付けると、床面や作業面までの距離が遠くなり、十分な照度を確保できない場合がある。レースウェイを適切な高さまで吊り下げてから照明器具を設置することで、光源を作業面に近づけ、効率よく明るさを確保することができる。

また、天井裏やスケルトン天井の空間には、空調用のダクトや給排水の配管など、多数の設備が入り組んで配置されている。これらの障害物の下にレースウェイを敷設することで、他の設備による光の遮りを回避し、空間全体に照明効果を最大限に発揮させる配置が可能となる。

金属線ぴ工事としての施工基準と支持間隔

レースウェイの敷設は、電気設備に関する技術基準において金属線ぴ工事に分類され、安全を確保するための施工ルールが定められている。

レースウェイ本体を吊り下げるための支持点は、1.5メートル以下の間隔で均等に設けなければならない。これにより、金属ダクト自体の重量や照明器具の荷重を適切に分散させ、地震時の揺れや振動に対しても安定した固定状態を維持できる。吊り下げるためのボルトや固定用のねじは、直径9ミリメートル以上の十分な強度を持つ金属部品を使用する。

配線をレースウェイ内部に通した後は、開口部に適合する蓋を取り付けて止め金で確実に固定し、確実な電線の保護を行えるように施工する。感電防止のため、D種接地工事によるボンディングを行い、電気的な導通を確保することも重要である。なお「交流対地電圧150V以下で、人が容易に触れることがなく、長さ8m以下の金属線ぴ」または「長さ4m以下の金属線ぴ」は接地を省略できるという緩和規定があるため、接地を省略できるかを確認することも検討すると良い。

設置場所の制約と適用環境

レースウェイは、あらゆる場所に自由に設置できるわけではなく、電気火災や漏電を防ぐために設置環境に条件が設けられている。

  • 乾燥した露出場所:原則として屋内の水気がなく、常に乾燥している場所に限定される。
  • 展開した場所:点検不可能な天井裏や壁の中など、「点検できない隠蔽場所」には設置できず、目視で容易に点検できる場所に設置する。
  • 損傷の恐れがない場所:台車やリフトなどの機器が接触し、物理的な破損を招く恐れのない高さを確保する。

駅のホームや屋根付きの駐車場など、屋外であっても直接雨水が吹き込まず、風雨を十分にしのげる環境であれば設置することに問題はない。しかし、完全に雨水にさらされる屋外や、腐食性ガスが充満するような過酷な環境での使用は、内部への浸水が懸念されるため、水が吹き込まない位置への設置が求められる。

開口部の向きによる用途の違い

レースウェイには様々な形状の部品が用意されており、直線ダクトのほか、配線の方向を転換する曲がり部品であるエルボや、経路の分岐用部品などを組み合わせることで、目的に応じた敷設が可能である。ダクトの開口部をどちらの方向に向けて設置するかによって、その用途と施工条件が大きく変化する。

照明器具を取り付けることを目的とする場合、原則として開口部を下に向けて敷設する。この状態であれば、付属の固定金具を用いて照明器具を任意の位置へ容易に取り付けることができ、将来の器具交換やメンテナンス性にも優れている。

一方、開口部を上に向けて敷設する場合は、ほこりや異物の侵入を防ぐため、上部の全面に蓋をして密閉構造としなければならない。この状態では単なる配線用の保護ダクトとしての機能しか持たず、金属線ぴ工事として該当しないことになり、IV線を使用せずVVFケーブルを用いる必要があるため、注意を要する。

柔軟な設備運用とレイアウト変更への対応

レースウェイを導入する利点は、その拡張性と柔軟性にある。工場での製造ラインの変更や、倉庫における保管エリアの最適化、商業施設での売り場レイアウトの刷新など、空間の使われ方が変化した際にも、配線経路を活かして照明器具の位置を移動させたり、容易に増設したりすることができるため、幅広く用いられる施工方法の一つである。

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