電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 電子ガバナ(非常用発電機)
2024.9.1
発電機に搭載された燃料噴射の調整装置で、負荷の変動に追従して燃料噴射量を調整し、エンジンの回転速度を一定に保つ働きを行う。エンジンの回転数変動に伴い燃料が調整されないと、過剰に噴射された燃料が不完全燃焼となり、黒煙発生量が多くなる。
特に起動時や負荷急変時は動作が過渡的に変化するため、燃料の不完全燃焼が発生しやすく、電子ガバナによる調速が可能であれば負荷変動に良く追従して燃料噴射量が変化するため、黒煙発生を抑制することができる。
小型の発電機の多くは機械式ガバナが用いられているが、建物に装備する非常用発電機等の大型発電機にあっては、電子制御による電子ガバナが搭載されることが多い。機械式ガバナは構造がシンプルで電気的制御を持たないため、安価かつメンテナンス部品が少ないという利点があるので、要求グレードに応じて使い分けると良い。
電子ガバナは黒煙の発生抑制に効果があることから、多くの建築主や事業主の仕様書に、調速装置に電子ガバナを搭載することで黒煙抑制を期待する文章を整備している。完全に黒煙発生を抑制させたい場合は黒煙除去装置を設けなければならないため注意を要する。
非常用発電機の基礎知識、設置基準については非常用発電機の設置基準を参照。
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