電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > リアクタンス
交流回路においてコイルやコンデンサに発生する擬似的電気抵抗であり、実際に電力が消費されない抵抗成分である。抵抗・リアクタンスのどちらも、電流の流れを妨げる「抵抗成分」としての大きさを示しているが、リアクタンスは周波数の影響を受ける。
リアクタンスにはコイルを要素とする「誘導性リアクタンス」と、コンデンサを要素とする「容量性リアクタンス」がある。コンデンサやコイルは抵抗と違い周波数によって抵抗値が変化するため、リアクタンスの概念を理解しなければならない。
コイルを含む交流回路は電圧に対して電流が遅れ、コンデンサを含む交流回路は電圧に対して電流が進むという特徴がある。受変電設備の分野では、進相コンデンサと直列リアクトルを高圧母線に含めることで、力率改善や高調波抑制に活用されている。
誘導性リアクタンスは、リアクタンスが「正」の方向であり、直流に対して電気抵抗は0であり、交流に対しては自己誘導作用により電気抵抗が発生する。抵抗と違い、周波数が高いほどリアクタンスが大きくなる。
容量性リアクタンスは、リアクタンスが「負」の方向であり、直流では電流が流れない。交流に対しては、電流の方向が周波数に応じて変化するので、コンデンサが充電と放電を繰り返すため電流が流れる。
誘導性リアクタンスと違い、容量性リアクタンスは周波数が大きいほどリアクタンスが小さくなる。周波数が大きいと、コンデンサの放電と充電の頻度が高くなり、より多くの電流が流せるためリアクタンスは小さくなる。
コンデンサとリアクトルを用いた力率改善の技術については力率改善と進相コンデンサ容量計算を参照。