レベルスイッチ
レベルスイッチの基本機能と役割
レベルスイッチは、タンクや水槽内部の液体および粉体の表面位置(液面レベル)を検出し、電気的な接点信号を出力する制御用機器である。あらかじめ設定した水位に液体が到達したか、あるいは下回ったかを判定する。この接点信号を制御盤に取り込むことで、満水や減水の警報を発報したり、給水・排水ポンプの自動運転および停止を行わせる。
受水槽や高架水槽においては、液体の過剰な供給によるオーバーフロー(溢水)を防止するため満水警報を出力する。また、ポンプは液体がない状態で空転(ドライラン)すると、メカニカルシールの異常発熱や焼き付きによる破損を引き起こす。そのため、減水警報によってポンプの運転を強制的に停止させる安全装置としても機能する。
検出方式の種類と動作原理
液面の検出には対象物の性質に応じた複数の方式が存在し、用途や水槽の環境によって使い分けられる。
- 電極式は、長さの異なる複数のステンレス製電極棒を水中に吊り下げ、水という導電体を介して電極間に微小な交流電流が流れるか否かで水位を判定する方式である。上水や湧水など、不純物の少ない水槽に用いられる。
- フロート式は、液体の浮力によって上下する浮き(フロート)にマイクロスイッチやリードスイッチを内蔵した方式である。フロートが傾くことで内部の接点が切り替わる。導電性のない油や、汚物を含む排水槽に用いられる。
- 静電容量式は、電極とタンク壁面間の静電容量が液位によって変化することを利用する方式である。高温・高圧のプラント設備や、腐食性の強い薬液タンクなどに用いられる。建築設備分野の給水や排水で利用されることは少ない。
建築設備におけるポンプの自動制御
ビルやマンションなどの建築設備において、レベルスイッチは各種水槽の給排水制御を担う。湧水槽、雑排水槽、汚水槽などに設置される水中モーターポンプの制御では、一般的に4個から5個のフロートスイッチを異なる高さに吊り下げて段階的な水位検知を行う。
水位が上昇して「運転」のフロートが反転するとポンプが起動し、水位が下がって「停止」のフロートが反転すると停止する。2台のポンプを設置している場合は、起動のたびに運転するポンプを切り替える交互運転制御を行う。さらに流入量がポンプ1台の排水能力を上回り「異常増水(非常時同時運転)」のフロートまで水位が達した場合は、2台のポンプを同時に稼働させて溢水を防ぐと同時に、管理室へ警報を送信するシステムが構築される。
対象液体の性質に応じた機器選定の制約
レベルスイッチの選定を誤ると、誤動作や機器の故障につながるため、測定対象となる液体の性質(粘度、比重、導電率、腐食性、浮遊物の有無)を把握して機種を決定する。トイレの排水などをためる汚水槽において、電極式のレベルスイッチを使用してはならない。トイレットペーパーや汚泥などの固形物が電極棒に巻き付くと、水位が下がっても水分を含んだ汚物によって電極間が短絡したままとなり、ポンプが停止しなくなる検出不良を引き起こす。汚水槽にはフロート式を選定することが望ましい。
油や薬品などの燃料タンクや薬液タンクでは、引火性や腐食性を考慮する。比重が軽い液体の場合、標準的なフロートでは浮力が不足して反転しないため、専用の低比重用フロートを選定する。また、防爆エリアに指定されている場合は、本質安全防爆構造のバリアを介して接続するなどの安全対策が要求される。
水面揺動による誤動作とチャタリング対策
レベルスイッチの設置において考慮すべき点として、液面の波立ち(揺動)によるチャタリング現象がある。ポンプの起動時や液体がタンクに大量に流入する際、液面が波立つことでレベルスイッチが短時間の間にオンとオフを繰り返し、ポンプの電磁接触器が頻繁に開閉して焼損する原因となる。
これを防止するため、液面の揺れが直接スイッチに影響しないよう、塩化ビニル管などで構成された防波管(波よけ管)の内部にレベルスイッチを収める物理的な対策がとられる。また、電気的な対策として、制御盤内のタイマーリレーを利用し、レベルスイッチの信号が数秒間継続した場合にのみポンプを動作させるといった遅延制御(オンディレー・オフディレー)を組み込む設計が標準的である。












