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APFC

APFCの基本機能と設置目的

APFC(Automatic Power Factor Controller:自動力率調整装置)は、高圧受変電設備の系統において力率を常時監視し、必要に応じてコンデンサを自動的に投入・切り離しを行うための制御装置である。高圧受電契約を結んでいる需要家では、力率を基準値(一般に85%)以上に維持することで、電力料金の基本料金に対して割引が適用される。

この経済的メリットを享受し、かつ電力系統全体の効率を高く維持するために、受電設備には無効電力を補償する進相コンデンサが設けられる。APFCは、この力率改善を自動かつ最適に行うために機能する。

進相コンデンサの役割と進みすぎによる課題

進相コンデンサは、誘導電動機などの負荷によって生じる「遅れ力率」に対して、電流の位相を進める働きを持ち、全体の力率を1.0(100%)に近づける効果がある。しかし、夜間や休日などの軽負荷状態において、大きな容量のコンデンサを投入したままにすると、補償量が過剰になり力率が100%を超えて進んでしまう「進み力率」という状態に陥る。

力率が進みすぎると、フェランチ効果によって系統の電圧が異常上昇し、接続されている電気機器の絶縁破壊や寿命低下といった不具合につながる危険性がある。これを防ぐため、負荷の変動に応じた適切なコンデンサの開閉制御を行い、進み過ぎを防止する。

手動操作の課題と自動化による安全性向上

従来、小規模な需要家や古い設備においては、施設の管理者が早朝の業務開始前にコンデンサを手動で投入し、業務終了後の軽負荷時に切り離すといった日常的な操作が行われていた。しかし、LBS(負荷開閉器)などの高圧機器を用いた直接的な手動操作は、操作者の技量や経験によって確実性が大きく変動し、操作忘れによる力率低下や異常電圧を招きやすい。

また、高圧部を直接操作することは感電やアーク閃絡などの労働災害リスクを伴う。APFCを導入してこれらの操作を自動化することは、ヒューマンエラーの排除と施設管理者の安全性向上に寄与する。

APFCのシステム構成と高圧接触器(VMC)の連携

APFCは、単体で高圧回路の開閉を行う機器ではなく、制御信号を出力するリレー装置として機能する。実際の高圧回路の入切を行うのは、進相コンデンサの一次側に直列に設けられた「高圧真空電磁接触器(VMC)」などの電磁接触器である。

APFCは、計器用変成器(VTおよびCT)から取り込んだ電圧値と電流値を演算して現在の力率や無効電力を把握し、設定された目標力率から外れた場合にVMCに対して信号を送る。VMCは真空バルブ内でアークを消弧するため、コンデンサ特有の突入電流や開閉サージに対しても高い耐久性を持ち、APFCからの指示に基づく頻繁な自動操作に適している。

多段制御による最適化と運用上のメリット

大規模な施設や負荷変動の激しい工場などでは、容量の異なる複数の進相コンデンサバンクを分割して設置し、APFCによる「多段制御」を行う構成が一般的である。APFCは、重負荷時には複数のコンデンサを順次投入して十分な無効電力補償を行い、軽負荷時には必要量のコンデンサを段階的に切り離すといった操作を自動で実行する。

これにより、常に目標とする力率を安定して維持することが可能となる。さらに、APFCには制御のハンチング(短時間での頻繁な入切の繰り返し)を防止するための動作時限タイマーが設定されており、機器への機械的・電気的ストレスを軽減している。結果として、基本料金の割引を最大限に獲得できるだけでなく、構内配線における無効電流の減少による「電力損失の低減」や、変圧器の余力確保といった設備運用上のメリットを生み出している。

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