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自動力率調整器

自動力率調整器の導入目的と経済効果

自動力率調整器(APFC)は、受変電設備の低圧・高圧回路において、負荷変動に追従して進相コンデンサ(SC)を自動的に開放・投入する制御装置である。主回路の無効電力を常時監視し、予め設定された目標力率(通常は遅れ95%~100%)を維持するよう制御を行う。

電力会社との需給契約では、平均力率が85%を上回る場合に基本料金が割引され、下回る場合には割増となる制度が採用されている。APFCの導入により、常に力率を100%付近に維持することで、電気料金の削減効果を最大化することが可能となる。また、無効電力の低減は、トランスや配電線路の電流減少(I²Rロスの低減)に直結するため、設備容量の有効活用や省エネルギー化にも寄与する。

制御ロジックとサイクリック投入方式

APFCは、主回路に設置されたVT(計器用変圧器)とCT(変流器)からの入力信号に基づき、無効電力を演算して制御を行う。負荷変動に対し、瞬時に反応すると電磁接触器(MC)のチャタリングやハンチングを招くため、投入・遮断にはタイマーによる時限設定や、不感帯が設けられている。

多段構成のコンデンサバンクを制御する場合、特定のコンデンサのみが集中的に使用されることを避けるため、「サイクリック制御(ローテーション制御)」機能を有する製品が一般的である。これは、同じ容量のコンデンサであれば、投入回数や通電時間が少ないものを優先的に選択して投入するロジックであり、開閉器の接点消耗やコンデンサ素子の劣化を平準化し、設備全体の長寿命化を図るものである。

高調波障害と直列リアクトルの選定

現代の建築設備では、インバータ機器やLED照明などの非線形負荷が増加しており、これらが発生させる高調波電流がコンデンサに流入し、過熱や焼損を引き起こすリスクがある。APFCの運用にあたっては、コンデンサ単体ではなく、直列リアクトル(SR)を設置し、LC共振による高調波の拡大を防ぐことが望ましい。

電力系統の高調波汚染状況に応じて、第5調波対応として6%、第3調波対応として13%のリアクタンスを持つリアクトルを選定する。APFCの制御単位(ステップ)ごとにリアクトル付コンデンサを構成する必要があり、盤内スペースや放熱設計において十分な検討を要する。

軽負荷時のフェランチ効果と過電圧保護

夜間や休日など、工場やビルの稼働率が低下し、誘導性負荷(モーター等)が減少すると、進相コンデンサが過剰となり力率が「進み」となる場合がある。この状態が継続すると、受電端電圧が送電端電圧よりも高くなる「フェランチ効果」が発生するおそれがあり、電力会社からコンデンサ切離しを要求されることも考えられる。

回路電圧の上昇は、機器の絶縁破壊や寿命短縮の原因となるため、APFCは進み力率を検知した際、速やかにコンデンサを開放する機能を備えている。また、軽負荷時には変圧器自体の励磁電流(遅れ無効電力)を補償するため、APFCの制御対象外となる固定コンデンサを最小限の容量で設置する設計手法も有効である。

力率改善の手法や、運用上の注意点については力率改善と進相コンデンサ容量計算を参照。

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