電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 自動力率調整器
負荷の変動による総合力率を自動的に調整する装置。複数の進相コンデンサーと、信号によって動作する電磁接触器から構成され、系統の力率を常に一定以上に保つ効果がある。力率は100%に近いほど、電力会社の基本料金が割引されるため、常に100%に近い数値を維持するのが良い。
コンデンサバンクの一次側に設置されている電磁接触器を開閉し、力率を調整することとなるが、力率の変動に対して頻繁なオンオフが発生しないよう、タイマーによる制限が設けられる。
一般的な需要家における総合力率は、営業時(稼働時)は数多くの電気機器が運転しているため低く、夜間や深夜は負荷が運転していないため高くなる傾向にあり、時間や曜日によって大きく変動する。
夜間や深夜など、負荷があまり動作していない状況で進相コンデンサが投入されたままになっていると、力率は1を大きく超えて進み、異常電圧発生のおそれがあり危険である。電力会社側の機器に悪影響を及ぼすおそれもあるため、力率を自動的に調整するシステムとして、受変電設備に搭載される。
力率改善の手法や、運用上の注意点については力率改善と進相コンデンサ容量計算を参照。
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