電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > シーリングフィッチング
防爆工事において、ボックスと電線管の隙間を塞ぎ、空気の流入を遮断するための電気材料。防爆対応が必要な場所に対する電線敷設では、電線管路内部を伝わっての爆発性ガスの流出や粉塵侵入のおそれがあるため、シーリングフィッチングを隔壁の片方側に設け、爆発性ガスの侵入を食い止めるのが主用途となる。
54以上の電線管の場合、隔壁の貫通部だけでなく、電線管の管路長が15mを超える場合は15m以下ごとに1箇所、分電盤やプルボックスなどは45cm以内の近接場所にシーリングフィッチングを設ける。
シーリングフィッチングの施工方法として、シーリングダムで配管内部にコンパウンドが流出しないよう堰き止めを構築し、シーリングコンパウンドを充填し密栓する。シーリングコンパウンドは水を加えて撹拌すると流動性を持つため、簡易に配管への充填が可能となる。常温で30分程度放置することで、硬化が始まる。
注入口の位置が固定されている「縦形」や、注入口に位置を変えられる「自在形」が一般的に用いられる。電線管のサイズに合わせて、予備径16mm~104mmまでのラインナップがあり、接続する電線管の径に応じたサイズを選定する。
防爆機能のほか、水分侵入と排出を兼ねた性能をもつ「ドレンフィッチング」と呼ばれる製品もある。フィッチング部分に下向きのドレンコックが設けられており、ここから浸入水を排出できる。
照明器具をはじめとした防爆設計の詳細については照明設備の防爆設計を参照。
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