整流器

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整流器

一方向にのみ電流を流せる装置。整流器は蓄電池設備を構成する設備のひとつで、交流を直流に変換し、蓄電池の充電用機器として使用する。

整流器は定電圧充電と定電流充電を合せて行い、一定以上の電流が流れないよう制御する。シリコンなどを原材料とした「ダイオード」の特性である、電流を一方向に流す作用を活用する。

整流には「半波整流」と「全波整流」がある。交流回路ではプラス方向とマイナス方向の交互に電流が流れるが、このプラスまたはマイナスの片方のサイクルのみ対応するのが半波整流である。回路構成が簡単で低コストだが、効率が悪く大電流に対応できない。半サイクル分に電流が流れないため、電流の脈動が大きいという欠点もある。

対して全波整流は、プラス・マイナスの両側のサイクルを取り込む方式であり、大電流に対応可能である。半波整流では完全に遮断していた側の半波も利用するため、効率が良く脈動も小さく抑えられる。全波整流にはダイオードを2個使用する方式と、より効率の高いダイオード4個によるブリッジ回路方式がある。

半波、全波のどちらであっても、整流した電流をそのまま利用するには不安定なため、照明器具の点灯では平滑用コンデンサを組み合わせて脈動を除去する必要がある。蓄電池の充電など、安定した平滑性を求めない回路であれば、コスト面の合理性を優先し、コンデンサを省略するという考え方もある。

蓄電池設備の整流器を選定する場合、整流器の定格電流は「常時負荷電流 + 充電電流」以上の機能を持つものを選定する。充電電流は、充電する蓄電池の容量に対し、1/10~1/15の電流値が必要となる。整流器を選定する場合、鉛蓄電池は10時間率、アルカリ蓄電池は5時間率を使用するため注意が要する。

シリコン整流器と比べ、小型かつ軽量化が図られた「サイリスタ整流器」が代表的だが、高調波発生により電源系統に悪影響を及ぼすおそれがあることから、高調波抑制が進んでいる「トランジスタ整流器」も普及している。トランジスタ整流器は電圧制御をPWM制御で行っており、サイリスタ整流器の位相制御方式よりも出力電圧の安定化が期待できる。

蓄電池の充電に整流器を活用している、蓄電池設備の設計手法の詳細については蓄電池設備の設置基準と容量計算を参照。

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