電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > オープン変電所(開放型受変電設備)
キュービクル式と違い、変圧器や母線、高圧遮断器などをすべて露出にて組立てし、高圧受変電設備を構成する方式。屋外式と屋内式があり、屋外式は変電所や柱上変圧器など外線部門に多い方式のため、ここでは電気設備として身近な、屋内に設ける内線としてのものに限って解説する。
パイプフレームや鋼材などを電気内にて格子状に組み立てて、断路器、遮断器、各種保護継電器などを現地組立することで構成される。
資材搬入と組立のほとんどが現地作業になるため、組立技術者が工事場所に長期間に渡って作業を行う必要があり、労働者不足の昨今では技術力の高い組立作業者の確保が困難なことから、新規に採用される事例は少ない。据付工事や配線工事の工程が非常に多くなるため、近年ではそれらを工場化したキュービクル式の変電設備が主流となっている。
オープン変電所では、各種高圧機器や配線類が目視できるため、点検が容易で異常の発見がしやすい。かつスペースを広く確保できることから、機器の搬入や交換が容易であり保守性の高さがメリットとなる。
対してデメリットとしては、キュービクル式のように最小限のスペースで組み立てをするわけではないため、電気室が大きくなってしまうことが挙げられる。すべての機器が露出状態になっているため、感電リスクが高いことや、ほこりによる汚損を受けやすいため、感電や漏電リスクが比較的高いという点に注意を要する。
日常点検をする側と、充電部のある機器側は、フェンスなどで明確かつ堅牢に区画し、点検用のフェンス扉を施錠するのが基本である。変電設備は日々点検が必要であるため、監視機器は比較的安全な点検側に集中配置し、充電部への侵入は厳しく制限すべきである。
サイト内検索