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電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 波付硬質ポリエチレン管(FEP)

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波付硬質ポリエチレン管(FEP)

可とう性のある硬質ポリエチレン管であり、電線管路のうち地中埋設配管として広く利用されている。「 Flexible Electric Pipe 」の略称で、FEP管とも表記する。

金属製の電線管に比べて機械的強度は劣るが、衝撃や圧力に強くゆるやかに屈曲させられるため、高い施工性が確保できる。金属管と比べて経済性が良いが、電力会社からの引込点の突き出し配管として使用する場合は、湾曲によって引込不能となることがあり、電力会社側との技術協議に注意を要する。

名称の通り、管路の表面は波付き加工が施されており、この波型によって荷重によるたわみを小さく抑えられる。たわみの小ささは、通線のしやすさにつながり、地中埋設管路としての性能は高い。敷設後の管路にはパイロットワイヤーと呼ばれる呼び線を入れておくと、ケーブルの通線がより容易になる。

製品によっては「自消製のある難燃性の管」に適合しているため、系統の重要性に応じて選定する。

金属管や塩ビ管など、他種の電線管に接続する場合、異種管接続材を利用して接続するが、ライニング鋼管、厚鋼電線管など、埋設可能な金属製電線管のほか、VP管やVE管、防水鋳鉄管、ヒューム管に接続するための異種管継手も販売されている。

波付硬質ポリエチレン管(FEP)の写真

標準寸法として「30」「40」「50」「65」「80」「100」「125」「150」「200」が呼び径として流通しており、この数値は電線管路の「内径」である。商品名は古河電気工業の「エフレックス」や未来工業の「ミラレックス」が代表的メーカー製品として広く使用されている。

地中埋設管路の距離が30mを超える場合、ハンドホールで中継しなければケーブルの通線が難しいため、埋設管路の計画時は「30m以内」間隔でハンドホールを設計する。

埋設管路同士を接続して延長することが可能だが、接続部分からの水の侵入が懸念されるので、止水可能な接続継手を使用すると良い。完全防水ではないため浸水のおそれは高くなる。

ハンドホールにFEP管を取り付ける場合、ケーブル引き込み時に擦れによる損傷を防止するために「ベルマウス」と呼ばれる部品を取り付ける。ベルマウスは管端を扇状に拡幅する電線管専用部品であり、管端でケーブルが損傷するのを防ぐ。

ハンドホールには複数の電線管を接続するが、予備管路を設ける場合には、管端部に「予備管ぶた」を設けて塞いでおくと、管路への水、砂や泥の侵入を防止できる。

ハンドホール貫通部で、FEP管の管端からハンドホール内部に水が浸入してくるような環境の場合、配管の閉塞部にエポキシパテを塗りつけ、硬化させて止水する。水位が高い場合、止水効果が薄いため注意を要する。

電線管の種類や特徴、施工方法については電線管の種類と規格を参照。

 
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