電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > コーブ照明
光源を天井の端部に設置し、光を天井に反射させて間接照明とする照明方式。天井の端部に庇状の突き出しを設けて照明器具を隠し、その上部に光源を配置して天井面を照射する。折り上げ天井の間接照明の手法として普及している。
天井を明るくする「コーブ照明」、壁面を明るくする「コーニス照明」と覚えると良い。天井面が明るくなることで、低い天井であっても圧迫感を緩和でき、天井をより高く見せられるほか、直接光源を見せないことによる眩しさの軽減が図ることができる。
間接照明は天井面に光を反射させる手法のため、天井面の仕上げを「鏡のように反射する部材」とするのは厳禁である。天井面を介して照明器具が丸見えになり、柔らかい光を反射させる効果が得られないばかりか、極めて不格好となる。天井仕上げはツヤのない反射しない材料とするのが鉄則である。
庇状の突き出しは、天井から距離を大きく確保するほど、柔らかく自然な演出が可能となる。天井と突き出しの距離(クリアランス)が小さすぎると、光が天井全体に到達せず、端部だけが明るくなり効果が得られないため注意を要する。
天井面を均一な明るさとしたい場合は、天井から一定の距離が必要となるが、天井が低くなり逆効果となるため十分高い天井で採用することが望ましい。
光源が直接見えないよう、突き出し部分の端部には間接照明の本体と同等の高さで、器具を隠すための折り返しを設けると良い。ただし折り返しが高すぎると、カットオフラインと呼ばれる強い影が天井面に現れるため、カットオフラインを強調したいのか、境界をぼかして見えるようにしたいのか、デザインに合わせて選定する。より精度良く調整が必要であれば、調光器を組み込むことで光の強さを調整することも検討すると良い。
間接照明の種類や手法の詳細については間接照明デザインとテクニックを参照。
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