キセノンランプ
太陽光に近い分光分布と点光源特性
キセノンランプ(Xenon Lamp)は、石英ガラス管内に高圧のキセノンガスを封入した放電管であり、アーク放電によって発光する。その特徴は、紫外域から可視光、赤外域に至るまで、太陽光に近い連続スペクトルを持つことである。
演色性が非常に高く、輝度の高い点光源が得られるため、色彩評価用光源、映写機、顕微鏡の光源、あるいは植物育成用ライトなど一般的な建築照明ではなく、産業用・医療用・学術用の特殊光源として広く利用されている。
瞬時点灯と始動時の高電圧ノイズ
水銀灯やメタルハライドランプといった他のHIDランプは、点灯から安定するまでに数分を要するが、キセノンランプは電圧印加後、瞬時に全光束で点灯するという優れた始動特性を持つ。
ただし、点灯させるためには、イグナイタによって20kV~30kVという極めて高いパルス電圧を印加しなければならない。この際、強力な電磁ノイズが発生するため、付近に精密電子機器や通信機器が設置されている場合、誤動作や通信障害を引き起こすおそれがある。設計時にはノイズ対策や、機器間の離隔距離に十分な配慮が必要である。
寿命特性と破裂リスクへの安全対策
キセノンランプの定格寿命は、製品にもよるが1,000時間~3,000時間程度であり、ハロゲン電球と同等レベルの短寿命特性となる。そのため、長時間の連続点灯を行う用途では、頻繁なランプ交換が必要となるランニングコストの高い光源といえる。
また、点灯中の管内圧力は数十気圧にも達するため、取り扱いには注意が必要である。交換作業時に万が一破損すると、ガラス片が飛散して怪我をするおそれがあるため、保護メガネや保護面、手袋を着用するなど、メーカー指定の安全手順を遵守することが求められる。
HIDランプや高輝度放電灯の仕組み・特徴についてはHIDランプの基礎知識を参照。












