電気設備の知識と技術 > 照明設計・電球の知識 > 蛍光灯の種類と点灯の仕組み
蛍光灯は、ランプ内の放電で発生する紫外線を蛍光物質に当て、可視光線として取り出せるランプである。電流を流すことで放出された電子と、蛍光灯内部の水銀が接触すると紫外線が発生する。この紫外線が蛍光物質と反応し、可視光線として光を生み出すというのが、蛍光灯の仕組みになる。
蛍光灯の両端に取り付けられている「エミッタ」という部品は、電流を流すことで電子を放出する。蛍光灯の中には不活性ガスとともに水銀ガスが封入されており、管の内面には紫外線に反応して発光する蛍光物質が塗布されている。
蛍光灯の内部に塗布された蛍光物質の種類に電球色や温白色、昼白色、昼光色など、数多くの色温度を作り出せるため、家庭用、業務用などで幅広く使われている。
リビングなどで団らんのあかりを求めた場合は電球色の蛍光灯を選定したり、書斎や勉強室では昼白色を選定したりと、生活スタイルや用途にあわせて、蛍光灯の色を決めることが可能である。
蛍光灯は、1954年頃に、国内初のラピッドスタート型蛍光灯が開発された。事務所の業務施設では、即時点灯型の蛍光灯が一般的になった。その後、霞が関ビルなどでシステム天井が採用されたのが1968年頃である。2灯用下面開放埋込型の蛍光灯が主流となった。
1975年頃には、VDT作業が多くなり、グレアカットルーバを備えた蛍光灯が流通するようになった。1991年には、インバーターにより点灯効率の向上やチラツキを防止したHf蛍光灯が開発されている。
現在はLED光源に置き換えられているが、10年ほど前まではHf蛍光灯が主流であった。長寿命Hf蛍光灯や、大光束Hf蛍光灯など、さらに改良が進められた製品が販売されている。グローランプを使用した蛍光灯は1950年頃から販売されているが、キッチンライトなど、FL10W程度の小型製品を除き、ほとんど採用されることはない。
蛍光灯の内部には微量の水銀が封入されており、この水銀分子が無ければ、蛍光灯は発光できない。水銀は環境上有害な物質であるため、過多な封入を行うことは不可能である水銀を蛍光灯内部に封入する方法として、水銀ペレット方式、水銀放出リング方式、アマルガム方式の3種類が代表的である。
水銀ペレットは、水銀と亜鉛を合金とした直径1mmの粒子で、水銀ペレットの大きさや個数を調整して、蛍光灯内に一定量の水銀を封入する。
水銀ペレット方式を採用している蛍光灯は、ランプ内部に金属粒子を封入している関係上、ランプを振るとカラカラと音がする。ランプを点灯した際に、水銀ペレットの影が見えるのが特徴である。
黒化防止のため、電極にシールドリングを使用する方式である。水銀放出リング防止機では、水銀化合物を塗布した金属リポンをシールドリングとして電極部に取付け、ランプ製造工程中に、管内で水銀を放出させるという封入方式となる。
コンパクト蛍光灯や電球形蛍光灯は、コンパクト化による放熱性能の悪化により、ランプ温度が高くなる。高温でも安定した明るさを維持するため、アマルガムという水銀合金に水蒸気圧の制御を行っている。
蛍光灯には種々の形状があり、ベース照明用として使用される直管形、デスクライトに使用されるコンパクト形、トイレや廊下などダウンライトに使用する電球型蛍光灯などが普及している。
ここでは、建築物の電気設備設計で広く用いられている蛍光灯の種類、形状について、選定方法や使い分けを含めて解説する。
棒状の蛍光灯器具で、4Wから110Wまで多種多様なラインナップがある。住宅では洗面器やキッチン手元灯として20Wのランプを使用することが多く、業務用では40W級(Hf32W)、スーパーマーケット等では40W級(Hf32W)の他に110W級が良く使われる。
蛍光灯は、3波長域発光をさせることで、高い発光効率と演色性を持たせている。「青:波長450nm」「緑:波長450nm」「赤:波長610nm」の3波長域の光を集中させることで、明るさを損なうことなく、演色性を高める事ができる技術として普及している。
演色性能が高い蛍光灯を利用することで、光の照射対象の本来の色を再現できる。一般に市販されている蛍光灯では太陽光と比較して70%~80%の演色性しか得られないが、美術館用や食品陳列用として、演色性能99%の演色AAAというクラスの器具も販売されている。
蛍光灯の点灯方式は、グロースタータ形蛍光灯(FL)とラピッドスタート形蛍光灯(FLR)がある。FLは住宅用として広く普及しており、ランプの種類が非常に多いという特徴がある。点灯に時間がかかるため、頻繁にオンオフする部屋や即時点灯を求める部屋には向いていない。長さによって寿命がまちまちなので注意が必要である。
FLRは電球の種類が非常に少ないが、即時点灯性能が非常に良いため事務所等の業務施設に大量に使用されていた。今はHf蛍光灯が主流になっており、水銀規制の国策にあわせて、LED照明への置き換えが進んでいる。
片口金のピン構造になっており、ダウンライト等で使用されている蛍光灯である。スクエア型蛍光灯や電気スタンド照明に良く使われているFPL蛍光灯やFPH蛍光灯、ダウンライトに使われているFDL蛍光灯、FHT蛍光灯など、豊富な種類がある。
ピンを差し込むだけでランプ交換ができるため、メンテナンスが容易である。ランプを回転させて固定する必要がないため、大量のランプ交換を行う場合に適している。コンパクト形の蛍光灯にはねじ込み式の製品もあり、パナソニックのパルックボールスパイラル電球など、蛍光灯が家庭用の電球としても普及していた。これも現在ではLED電球が一般的になっており、置き換えが進んでいる。
白熱電球と同じサイズ、形状で作られた蛍光灯である。E26口金やE17口金器具への取付が可能である。家庭用で普及している電球では、点滅回数を大幅に強化したランプが開発されており、繰り返し点滅させても、寿命に大きな影響を与えないようになる。安定器とスターターは電球に内蔵されており、レセプタクルに取付けるだけで点灯できる。
点灯直後の光束が低く、最大光束になるまで数秒から数十秒の時間を要する。トイレなど頻繁にオンオフを繰り返し、かつ使用時間が短い用途だと、最大光束に達する前に照明をオフにするため注意が必要である。
直管蛍光灯は、主に事務所等の執務室で使用される。床面や机上面を効率良く照射することに特化した器具であり、天井内に器具全体を飲み込ませることで天井面がすっきりとする。下面にルーバーやパネルを設置できるものも販売されており、室用途によって使い分ける。
従来のFLRタイプの蛍光灯は幅300mmであるが、今はHf蛍光灯が主流なので幅220mmのものが多く使用されており、より天井面がすっきりとするようになった。Hf蛍光灯は輝度が若干高く、グレア対策に注意が必要である。
もっとも基本になる方式の蛍光灯である。天井内に蛍光灯器具本体を埋め込んで使用する。蛍光灯が露出しているため、最も効率的に光を活用でき、ランプ交換も容易で低コストである。ランプがそのまま見えることによりグレアが気である。
下面開放器具に遮光ルーバーを設置したタイプの蛍光灯である。ランプ本体をルーバーで目隠しすることで、ディスプレイやモニターへのランプ映り込みを防止しており、OA化された事務所では必須の蛍光灯方式である。ランプ交換時でルーバーに指紋が付くことがあるため、清掃をこまめに行わなければならない。
近年の事務所は、パソコンとモニターを使用するのが前提の運用方法になっているが、液晶モニターへの映り込みはほとんどないため、ルーバー付き照明器具でなくてもほとんど支障ない。
下面開放の蛍光灯器具に、アクリルやガラスの乳白パネルを取り付けた照明器具である。蛍光灯の光を和らげ、不快グレアを大きく緩和する。手元照度が若干低くなり、パネルの清掃を頻繁に行わないと汚れが目立つうえ、照明効率が悪化するので、規定の照度を確保する場合、設計照度を若干高めに設定すべきである。
埋込形蛍光灯の取付位置が上部奥深くなっており、蛍光灯を目視しにくくしているタイプである。人間の目の高さから、上下30度に高原がある場合、グレアを感じるといわれるが、このタイプの蛍光灯器具では、30度のグレアをカットするように作られているためグレアを感じない。グレアによる集中力の欠如を防止できるため、主に学校教室などで使用される。
蛍光灯本体の埋込深さが60mm程度になっているため、天井裏に敷設する空調や換気ダクトと干渉しない蛍光灯である。建築計画上、天井裏に余裕が取れない場合に良く採用され、空調機やダクトの配置に左右されず、照明計画できる。
一般的な埋込型器具と比較してコストが割高であり、多用するとコストアップである。
空調ダクト回避型蛍光灯をよりも薄く、本体埋め込み深さが20mm程度の蛍光灯である。軽天下地と干渉しない薄さであり、ボードと吊り材分の厚さがあれば、照明器具が設置できる。
Cチャンネル回避型蛍光灯の場合、パネル付器具の採用が困難である。蛍光灯とパネルの距離がほとんどないため、パネル面に蛍光灯のラインがはっきりと見えてしまうため、パネル全体を明るくすることができない。下面開放とするのが良い。
倉庫や機械室など、機能性を重視した室に採用される。埋込型器具と比べて意匠性に劣るが、ランプ効率が高く、より明るく照らしたい場合に有効な器具である。
反射板が山形になっている蛍光灯であり、天井がある部屋で使用される。器具効率が非常に良く、床面だけでなく天井面も明るく照らされるため、部屋全体が明るい雰囲気である。直付型蛍光灯の中ではもっとも安価である。逆富士器具とも呼ばれている。
両端に下向きの反射板を取り付けた蛍光灯で、下向きの照明効率を向上させている。レースウェイやケーブルラックの下部に設置したり、天井スラブから吊り下げたりして設置する。機械室や駐車場に良く使われる。
天井面への光の反射がほとんどないため、執務空間で使用すると、天井面が暗くなることで陰鬱な雰囲気となる。天井面への反射が必要であれば、逆富士形などが良い。
器具片側に反射板を取り付けた蛍光灯で、片側を重点的に照射したい場合に使用する。駐車場の外周部や、屋外避難階段、室外機置場など、光を片方にのみ照射したい用途に適している。
トラフとも呼ばれ、直方体のベース器具に蛍光ランプを取付けている。反射板がないため、間接照明として使用するのに向いている。
ランプ差込口に防水キャップが付いており、湿気や水が入らないような措置を施した蛍光灯である。軒下など、雨掛りになる部分に設置する。
雨掛りの場所で一般器具を使用すると、器具が漏電を起こしたり、ランプ接点が水損して絶縁性能が劣化し危険である。ランプと本体の接点同士が癒着し、ランプが外れなくなるといった事故にもつながる。
ランプ、充電部をカバーで密閉した蛍光灯器具である。ランプの保温効果があるので、低温でも照度が十分に確保でき、また充電部が密閉されているので火花による引火の可能性を低減できる。IP性能が規定されており、防塵・防水性能が数値で規定されている。
特殊用途の蛍光灯として、飛散防止膜付き、紫外線カットタイプ、殺菌ランプ、ブラックランプなど多種多様な蛍光管が生産されている。
蛍光管の外面に、ポリエステルフィルムの合成樹脂被膜を施し、破損時の飛散を防止している。万が一ランプに衝撃を受けたとしても、ガラス片の破損が少なく安全である。学校教室、美術館や博物館、食品工場、電車の車両内部、サーバー室やコンピュータールームなど、ランプ破損による二次被害が大きくなる場所では、飛散防止膜付きの蛍光灯採用が望まれる。
飛散防止膜付き蛍光灯は非常用照明、誘導灯用のランプとして使用できない。防爆形や高温型など、特殊環境用照明器具の内蔵ランプとして使用することもできないため、使用時には注意が必要である。
飛散防止膜付き蛍光灯は、一般使用の蛍光管にフィルムが付着している関係上、産業廃棄物として処分・撤去する場合に追加コストが発生する。処分・撤去を依頼する業者へ確認すると良い。排出時に分別するよう求められる。
演色評価数を100に近づけることで、照射対象物の色を忠実に再現できる蛍光灯である。色彩検査用として適している。一般蛍光灯よりも演色評価数が高いのが特徴であるが、演色性を高めることにより光束量が少なくなっているため、同一照度を確保する場合は台数を増やす必要がある。
蛍光灯からの紫外線放射量を抑え、衣料や書籍などへの色あせ被害を防止できる蛍光灯である。演色性が低いため、美術館や博物館の展示物照射用に使用するのには適していない。
副次的な効果として、紫外線放出量が少ないことにより、若干の低誘虫効果を期待できる。イエローランプなど専用の低誘虫ランプよりも効果が薄いため、荷捌き場、料金徴収所など、本格的な低誘虫効果を必要とする場所での採用は避けるべきである。
単色の蛍光物質を塗布した蛍光灯で、赤、青、緑のカラー照明できる。商業施設やショーウインドウ等の演出用として広く使用されている。果樹園など害虫の誘引をできる限り避けたい場合、純黄色の蛍光灯を使用することが望まれる。すべての色が黄色となるため、色の判別は不可能である。
可視波長をカットし、蛍光作用の強い近紫外線域である352nmの波長を効率良く放射させる蛍光灯である。可視光線を吸収し紫外線を透過させる特殊なフィルターコーティングがされている。
鉱石等の鑑定、衣類のシミや汚れの検出に使用される。カラオケボックス等で、ブラックライト蛍光灯を用いて演出している事例もある。
一般照明器具にそのまま取り付けられるが、通常蛍光灯の反射板は白色のメラミン塗装がされているため、波長400nm以下の光をほとんど反射しない。もし反射効率を上げる場合、メラミン塗装ではなくアルミニウム反射板を利用するのが効果的である。
ブラックライト蛍光灯の光は、殺菌効果のある蛍光灯ではないが、長時間接近していると眼や肌に悪影響を及ぼす可能性があるため、保護のため眼鏡やグローブを装備することが望まれる。
蛍光灯は、光の波長を変化させることで、大きな特性変化を得ることが可能である。生態系に影響するような、特殊な機能を果たす蛍光灯も製造できるため、誘虫、植物育成、殺菌といった効果を持たせた蛍光灯が生産されている。
虫が集まりやすい光の波長をカットした蛍光灯で、黄色味がかった光を放出する。低誘虫蛍光灯の近くで水銀灯や蛍光灯を使用すると、そのランプに虫が多く集まる。
建物全体に低誘虫蛍光灯を設置し、虫が多く飛来しても支障がない離れた場所に、水銀灯の「強く誘虫される照明器具」を配置すると、建物への誘虫がより抑えられる。
虫が集まりやすい、青色光と近接紫外線を放出する蛍光灯である。350nm前後の波長を強く放出するので、捕虫器用の光源として利用されている。
殺菌灯よりも紫外線による影響は少ないが、目など、紫外線の被害を受けやすい部位に光を当ててはならない。人体を保護するため、長時間光を浴びる場合には、保護眼鏡を使用することが望まれる。
植物の成長に効率の良い波長の光を放出する蛍光灯である。主に400nm・450nm・650nmの波長を放出し、植物の育成を促進する。
鑑賞用と育成用のランプがあり、用途によって使い分けが必要である。
253.7nmの光の波長(紫外線)による殺菌作用を利用した蛍光灯である。空気の殺菌、水の殺菌に広く利用されている。光を当てるだけなので、殺菌後の被照射物に大きな変化を残さないという利点がある。設備が安価に構築できるのも利点のひとつである。
紫外線による殺菌は、細菌細胞に紫外線を吸収させ、核蛋白構造の構造を変化させることにより細菌の生命活動に障害を与えるという原理に基づく。肉眼で殺菌灯を直視すると眼を強く傷めてしまうため、直視することは禁止されている。点灯中のランプを短時間直視しただけでも、眼の痛みにより結膜炎のような症状を引き起こす。皮膚に殺菌灯の光を当てると、炎症を起こす。
殺菌のために必要な波長は250~260nmの範囲となっており、紫外線照度と照射時間によって殺菌力も変化する。殺菌灯は周囲温度20℃が最も効率の良い殺菌性能を保ち、10~35℃の範囲では効率の低下はほとんどない。周囲温度が推奨範囲外になると、殺菌力が低下し、必要な性能が維持できない。
植物等の近くで使用すると、葉を枯らすなど育成障害を及ぼすことがあるため、設置には細心の注意が必要である。
グローランプを用いた蛍光灯は、グロースターターと呼ばれる点灯装置を用い、蛍光灯の点灯の引き金となる大きな起電圧を発生させ、蛍光灯を点灯させるものである。グローランプ方式の蛍光灯は非常に歴史が古く、キッチン手元灯や倉庫照明、クローゼット照明などでも、グローランプは未だ利用されている。
点灯管にはいくつか種類があり、バイメタルを電流で加熱して湾曲させるグローランプ方式、電子回路を用いて発光させる電子方式などがある。グローランプは非常に歴史が古く、蛍光灯の発売初期から使われているものだが、現在も住宅用との一部蛍光灯にはグローランプによる点灯方式が採用されている。
電子回路方式の点灯管を用いると、ラピッドスタート蛍光灯と同じように瞬時点灯が可能となる、クローゼットやトイレ、キッチン手元灯など、グローランプ式の蛍光灯がよく使われる室では、スイッチをオンにしてもなかなか点灯しないという事例は多い。
電子式の点灯管に交換すると、瞬間的に蛍光灯が点灯するため利便性が大きく向上する。点灯管のコストについて、グローランプと電子式で大きく違っていないため、グローランプ点灯管を電子式点灯管に交換する事例は多い。
点灯管の種類や特徴については点灯管の種類・仕組みを参照。
グローランプは、点灯させる蛍光灯の種類や出力によって使い分けが必要である。蛍光灯の点灯には瞬間的な起電力が必要であり、適合したグローランプを使用しなければ、ランプ不点灯や寿命の低下につながる。
一般的に、バイメタルの湾曲には3秒程度の時間がかかり、これはグローランプを使う以上、どのメーカーの製品であってもほぼ同様の時間を必要とする。
グローランプは、固定された電極と、熱を加えると湾曲するバイメタル電極を近接させた、蛍光灯点灯用の部品のひとつである。グローランプに電圧を印加すると、ガラス内部の電極間の絶縁が破壊され、空中放電によって熱を生み出すように作られている。
空中放電によって発生する熱を利用し、バイメタル電極を湾曲させ、蛍光灯の点灯回路に閉回路を構成させる。
グローランプ点灯方式の蛍光灯では、蛍光灯とグローランプが並列にされている接続。並列接続の特性として、電流は抵抗が少ない回路側に多く流れようとし、電源オンの瞬間は蛍光ランプ側ではなく、グローランプ側に全電流が流れ込む。
電源スイッチを入れて電圧を印加すると、グローランプ側に流れた電流により、電極間で放電が発生する。放電は熱となりバイメタルが加熱される。加熱されたバイメタル電極は熱の影響で湾曲し始め、近接状態の電極同士は時間と共に接触する。
グローランプ内の電極同士が接触すると、グローランプ側で閉回路が構成され、蛍光灯のエミッタが余熱され始める。グローランプには電流が流れ続けるが、蛍光灯には安定器が接続されており、直列に接続された安定器よって、電流値は一定に保たれる。
グローランプ側では閉回路構築により放電が消え、冷やされることでバイメタルが元の形に戻り、接触していた電極が離れる。
バイメタル電極が離れると、閉回路を流れていた電流が突然0になるため、安定器内を貫く磁束が大きく変化し、電磁誘導の効果により大きな起電圧が発生する。この起電圧をきっかけに、余熱されたエミッタに高電圧が印加され、電子の放出が始まって蛍光灯側に電流が流れ始め、蛍光灯が点灯する。
一連の動作によって蛍光灯が発光しなかった場合、バイメタルによって離れた電極に再度放電が始まり、加熱によってバイメタルの接点が閉じて閉回路を作り、同じ順序で起電圧を発生させる。これは蛍光灯側が点灯するまで繰り返される。
蛍光灯側に電流が流れ始めれば、グローランプ側への電流の分流がなくなり、以降は放電することはない。常にバイメタル電極は離れた状態になり、蛍光灯は点灯し続けられる。これがバイメタルによる蛍光灯点灯の仕組みである。
グローランプを交換する場合、同じ出力の蛍光灯に適合する点灯管を選定すればよいが、口金の形状に注意が必要である。
グローランプの口金には、E型(ねじ込み式)とP型(差し込み式)がある。30W未満の蛍光灯ではE型、それ以上の業務用蛍光灯ではE型が広く普及しているが、10Wクラスの小型蛍光灯でもP型があり、必ずしも蛍光灯サイズで分類されているわけではない。
家庭用の蛍光灯は出力が小さいためねじ込み式のE型が多いが、小型の蛍光灯でもP型は存在するため、蛍光灯の仕様書に合わせて選定すれば良い。交換であれば、既に取り付けられているグローランプを取外し、同じ出力に適合した口金のグローランプを購入すれば問題ない。
グローランプの取り外しは、必ず蛍光灯の電源を切ってから行う。やけどの原因となるため、ランプ点灯中にグローランプを外してはならない。
グローランプは蛍光灯を点灯させる回数によって寿命が定められている。一般的に6,000回程度の点灯が可能であるが、長寿命タイプのグローランプであれば、10,000~15,000回のオンオフに耐えるものもある。
電子式のグローランプは40,000回以上のオンオフに耐えるため、点灯の速さだけでなく、寿命の面からも、電子式点灯管に交換するメリットは大きい。
LED照明が広く普及したことに伴い、住宅の蛍光灯をLEDに交換したいというニーズが高まっている。住宅用の蛍光灯は基本的に「グローランプ形」であり、事務所など業務用で用いられているような「ラピッドスタート形」の蛍光灯は少ない。
グローランプ方式の蛍光灯であれば、グローランプを取外し、LED照明用のダミーグローを装着することで、蛍光灯をLED電球に置き換えられる。多くの家電量販店で、この方式によるLED置き換え照明が販売されている。
蛍光灯には安定器が取り付けられており、グローランプを交換する方法では、安定器への電源供給が続けられる。安定器は通電によって電力を消費しており、蛍光灯出力の20%程度の電力が無駄となる。
蛍光灯をLEDに交換することで、消費電力が数値的に下がったとしても、安定器での電力ロスによって思ったより省エネにならない、ということも考えられるため注意を要する。
ラピッドスタート式の蛍光灯はグローランプを使用せずに点灯できる。電圧を印加した瞬間から、約1秒程度の時間で点灯するため、業務用施設での採用が多い蛍光灯である。
ラピッドスタート点灯方式の蛍光灯は、グロースターター方式と同様、蛍光灯を点灯させるために高電圧を発生させているという点は同じである。ラピッドスタート点灯方式では、安定器に磁気漏れ変圧器を搭載しており、電流を流すことでエミッタを余熱し、さらに変圧器によって高電圧を誘起させて、エミッタから放電を開始させる。
省エネルギーの観点から、ラピッドスタート式の蛍光灯は既に古い照明器具であり、エネルギー効率も低く寿命も短いという欠点がある。Hf蛍光灯または、LED照明器具に交換することが望まれる。
Hf蛍光灯は、同じ本数で照度を高く確保できるので、消費電力を小さく抑えられる上、台数を減らすことで天井空間をスッキリと見せられる。近年はLED照明が広く普及し、Hf蛍光灯よりも高効率・高寿命が実現できている。
蛍光管のガラス内面に導電性の被膜を設けたラピッドスタート蛍光管である。20Wから40Wまでの、一般出力の蛍光管として普及している。一般屋内用のラピッドスタート形蛍光灯だけでなく、防水タイプや防爆タイプの蛍光灯にも使用できるオールラウンドな蛍光管である。
寿命は、20Wで8,500時間と若干短いが、32Wや40Wの蛍光管では12,000時間の寿命となる。調光用器具としては使用できないため、外面ストライプ形の蛍光管の採用が求められる。
ガラス管外面に導電性ストライプを塗布し、高抵抗を介して電極と接続した蛍光管である。連続調光型の蛍光灯で使用することを前提としたランプであるが、一般器具としても使用できる。
防水タイプや防爆タイプの照明器具には、外面ストライプ方式の蛍光管を使用できない。
ガラス管外面に撥水性皮膜(シリコン)を塗布した蛍光管である。主に110形用の蛍光管として普及している。器具への接地が必要とされている。
インバーターを内蔵することで高効率化し、消費電力を抑えた蛍光灯器具である。高出力安定器を使用することで、30%程度の光束アップも図られており、業務用の高性能蛍光灯として広く普及した。
蛍光灯に電子安定器を組込み、磁気回路を小型化しているため、照明器具からの騒音の発生がほとんどない。従来のラピッドスタータタイプと違い、磁気漏れ変圧器の内蔵もないため、器具本体の重量も小さくなり、天井材への負担が軽くなり、施工の難しさも軽減される。
蛍光灯に内蔵されている電子安定器は、ボルトフリーかつヘルツフリー製品がほとんどであり、電源電圧が単相200V回路であっても、単相100V回路しかない環境であっても、選定可能である。周波数も同様、60Hz/50Hzの制限なく選定できる。
特殊使用の蛍光灯として、さらに長寿命化して15,000~18,000時間の寿命を持たせた製品や、飛散防止加工、演色性能向上など、用途と場所に応じて、多岐にわたる製品を選定できる。
Hf蛍光灯は、ラピッドスタート式やグロースターター式の蛍光灯よりも高効率かつ高光束で、点灯の周波数を高めることによりチラツキを軽減し、ランプ径を一回り小さくした高品位な蛍光管である。
蛍光管の電極で発生する損失を小さく抑えることで、ランプの点灯効率が向上し、同じ照度であれば従来の蛍光灯器具より30%程度の節電が図ることができるとされている。
インバーター方式の蛍光灯は、安定器を小型かつ軽く製作できるため、器具本体サイズはFLR蛍光灯よりもコンパクトである。ランプサイズが小さいため、器具本体を薄く設計できている。
Hf蛍光灯は、安定器の選定により光束を選定できるという特徴がある。一般のHf蛍光灯は3,500lm程度の光束を得られるが、安定器を高出力型とすることで、5,000lm近い照度を、同じ器具で出力可能である。
初期照度補正機能や、明るさ2段階切り替え(一般型と高出力型の切り替え)による省エネが図ることができる安定器なども、ラインナップに含まれている。
Hf蛍光灯の消費電力は、一般出力の場合35W程度、高出力の場合45W程度である。同一の蛍光灯でも出力の違いによって消費電力に差があるので、電力計算を行う場合には注意が必要である。
Hf蛍光灯は、電子回路を組込みインバーターによる制御を行っているため、電路に高調波の影響を及ぼす。
電気機器の高調波対策は既に確立しており「高圧または特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」によって方針付けされている。このガイドラインに準拠していない電気機器については、高調波対策を求められる。
Hf蛍光灯は「JIS C61000-3-2 クラスC」という規格が該当しており、この仕様に基づいた品質を保っていれば、高調波に対する影響は、ほとんどないものとして考えられる。
Hf蛍光灯はどのメーカーであっても、クラスC規格に準拠しているのが通常であり、高調波の電路に及ぼす悪影響は、最小限に抑えられていると考えて良い。
蛍光灯のランプは消耗品であり、寿命は10,000~12,000時間と比較的長い期間、使い続けることが可能である。
蛍光灯の灯具本体の寿命は、24時間連続点灯など過酷な条件でなければ、10~15年程度とされている。照明器具メーカーでは、本体のほか、安定器についても耐用年数を10年程度で設計しており、10年を超えた照明器具は、安定器交換や器具交換を薦めている。
実情として、使用期間15年を超え、20年や25年と使用している例も数多くある。屋内で使用する照明器具で、3,000h/年を超えるような過酷な点灯状況になければ、概ね15年程度は使用できる。屋外に設置される照明器具であれば、湿気や粉塵による劣化により、10年程度使用できれば十分と考えられる。
数年から数十年使用した照明器具は、器具内の電線ひび割れ、ソケットの変形、破損、端子台の変形など、多くの劣化が発生する。蛍光灯を点灯させた瞬間に漏電遮断器が動作したり、発煙や火花が発生した場合、器具の耐用年数を超過したと判断し、器具交換を行うのが良い。
1972年以前の蛍光灯器具の場合、安定器にPCBが含有している可能性がある。PCBは申告な環境被害を引き起こす有害物質のひとつであり、安定器にPCB成分が含まれている場合は、産業廃棄物として処理できない。
所定の機関に回収を依頼する必要があり、回収されるまで、厳重な保管が必要である。PCBの保管、処理に関する規制はPCB使用禁止と廃棄処分の法規制を参照。
器具種類によって寿命に違いがあるが、業務用の蛍光灯照明として広く使用されているHf蛍光管は、12,000時間程度の寿命とされている。
業務用の蛍光管は一般的に10,000~12,000時間の長い寿命が特徴的であるが、家庭要の蛍光灯は若干短く設定されている。一般家庭で使用されているサークル形蛍光灯は6,000~8,000時間、キッチン手元灯に使用される直管蛍光灯は、3,000時間~6,000時間である。
業務用は、毎日数時間、長期に渡って点灯させる必要があるため長寿命が求められるが、家庭要の蛍光管は点灯時間が短く、オンオフする頻度が高いのが特徴であり、点滅回数に対する強化を施したランプを選択するのが良い。
蛍光灯の欠点として、頻繁なオンオフを繰り返すと寿命が短くなる。蛍光灯の点灯は「エミッタ」と呼ばれる部材に高電圧を印加して、電子の放出を促すという仕組みのため、点灯させるたびにエミッタが消耗する。蛍光灯を点灯し続けた状態よりも、スイッチをオンにした瞬間に大きな負担が発生する。
蛍光灯は、1回の点灯によって1時間寿命が短くなるとされる。しかし、家庭用で使用されている電球型蛍光灯の場合、施設用のFHT蛍光灯やFL蛍光灯、Hf蛍光灯よりも点滅性能が強化されており、20,000~40,000回の点滅回数に耐える電球も販売されている。
点滅頻度の高い部屋に蛍光灯を設ける場合、点滅性能の高い蛍光灯を選定することで電球交換頻度を抑え、省エネルギーにつなげられる。
蛍光灯を長期に渡って使用すると、ソケット付近やランプ表面が黒ずんだり、黒褐色状の帯が発生する。蛍光ランプの黒化現象には、アノードスポット、エンドバンド、EC黒化の3種類がある。
蛍光灯の電極付近に、黒い斑点が発生する現象である。これはアノードスポットと呼ばれ、電極に塗布されているエミッタが飛散し、電極付近のランプに付着している。
長時間点灯した蛍光管に発生する現象であるが、点滅を頻繁に行ったり、電圧異常が発生している電路だったりすると、早期にアノードスポットが発生する。
蛍光灯先端から数cm離れた場所を境界に、ランプ内側に向かって黒いグラデーション状の黒化が発生することを、エンドバンドと呼ぶ。
エミッタの蒸発によって発生するガスと水銀が化合しており、ランプ本体が黒く見えるが、明るさに大きな影響はない。これも長期間使用した蛍光灯に発生する現象である。
内面導電性皮膜処理を施したラピッドスタート形の蛍光灯に発生する現象で、内部の蛍光物質が、放電によって変色することが原因で発生する黒化である。
空調吹き出し口からの冷気が直接ランプに当たるなどして冷やされ、ランプ内部の水銀が付着しやすい環境において多発する。逆富士形蛍光灯は、ランプが天井面よりも下部に位置するため、空調の冷気の影響を受けやすくなる。
長時間使用していない蛍光灯に多発する黒ずみで、しばらく点灯すると消失する。これは蛍光灯を放置している間に、付着した水銀が点灯直後の瞬間的な蒸発で凝縮している。
ランプ中央下部、冷房の風が当たる部分など、部分的にランプが冷やされる部分に発生する黒ずみである。水銀が冷却された部分に集まってしまうために発生する現象である。
水銀ペレットは直径1mmの粒子であるが、場合によっては影が見えてしまうことがある。しかし、寿命や点灯品質に影響はない。
蛍光灯の安定器は、内部に収容されている電子部品に対し、約40,000時間を性能維持の限界としている。24時間連続稼動などを行わず、通常の使用方法がされた安定器であれば、平均寿命8~10年とされている。
日本照明器具工業会のガイドラインでは、照明器具の耐用年数を15年としている。15年を経過した照明器具は、照明器具としての機能が著しく低下し、絶縁劣化が進行している状況であり、早急な器具交換が推奨される。
安定器の劣化診断は目視だけでは難しく、外観上問題ないように見えても、内部機器の劣化が進んでいることが多々ある。安定器内部のビニル絶縁電線は、安定器から発生する熱によってもろくなっており、発煙や白化事故を起こしやすい状況になる。
コイルの異常発熱、コンデンサの破損や液漏れなど、発火事故の危険性も高くなり、ハイリスクな状態となる。
安定器は周囲温度5℃~35℃程度の範囲で使用することを前提にしており、適正温度を逸脱した環境では、寿命が著しく短くなる。天井裏に安定器を設置するのが一般的であるが、グラスウールの断熱材で覆わないよう注意が必要である。安定器が断熱材で覆われると、安定器の周囲温度が著しく上昇し、絶縁材料が熱によって劣化する。
期待寿命を大きく損なう原因になるため、安定器の放熱を妨げない施工が重要である。
電子安定器の場合、内蔵しているトランスやコンデンサ、半導体部品の寿命に耐用年数が左右される。耐用年数の限界に近づくと、蛍光ランプの不点やチラツキが発生する。
絶縁劣化が進んでいるコンデンサから発煙・発火することも考えられるため、早期の交換が望まれる。
電子安定器は、トランスチョーク・コンデンサ・半導体部品がプリント基板に「はんだ付け」されており、それぞれの部品に劣化のおそれがある。トランスチョークは絶縁性能が低下することにより、層間短絡を発生させるおそれがある。
コンデンサ類は、絶縁性能の低下や電解液の蒸発によって温度上昇し、容量低下を引き起こす。半導体やプリント基板も、絶縁性能が低下すれば、温度上昇の原因となり、絶縁性能が致命的に劣化すれば、漏電や短絡につながる。
24時間連続稼働の工場やコンビニエンスストアなど、昼夜を問わず蛍光灯を点灯させなければならない用途では、故障リスクが大きく上昇する。期待寿命が半分以下になる事例もあるので、注意が必要である。
既存の蛍光灯に対し、改修工事を伴わない簡易な省エネ施策として「ランプを取り外す」というのも効果的である。照度が低下するという直接的なリスクがあるが、ランプを取り付けないことで蛍光灯への通電を遮断し、省エネルギーを図る。
蛍光灯は、灯具本体とランプで成り立っているため、ランプを取り外せば電流の行き場がなくなり、電力の消費が発生しない。これを目的としてランプを取り外し、省エネルギーを図っている事例が多数あるが、蛍光灯器具の種類によっては「異常電流の発生」や「高電圧パルスの発生」の原因となり、機器故障や異常発熱、発火といった事故につながるおそれがあることを理解しなければならない。
蛍光灯を装着せず、安定器に電源を供給し続けた場合、安定器の劣化は蛍光灯が装着されているのと同様に進行する。古くから使っている蛍光灯は、安定器も旧式かつ長期間利用していることが多く、劣化に気が付かないおそれがある。
蛍光灯のランプであれば、安定器が故障すれば点灯しなくなるため、故障に気付くことも可能だが、LED電球が装着されていると故障に気付けない。
蛍光灯に含まれる水銀は、環境に与える悪影響が大きな化学物質である。ランプの破棄時や、破損時に飛散する水銀が与える環境負荷は深刻である。
国策として「水銀に関する水俣条約」が策定され、2020年から「基準を満たさない水銀添加製品の製造、輸出、輸入が禁止」されている。下記の通り、水銀を多く含む蛍光灯の生産が禁止となった。
国内で販売されている一般的な蛍光灯は、水銀量を微量に抑える企業努力がなされている。この新しい条例の基準に蛍光灯が即時生産禁止となることはないが、すでに照明メーカーは蛍光灯の生産を制限し、LED照明への移行を推し進めており、新規の蛍光灯器具の販売とほぼ停止となった。
2027年より、スイス・ジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議(COP5)」にて、水銀を使用する蛍光ランプの製造、輸出入に対する規制が決定した。この条約の影響により、蛍光ランプの入手ができなくなることで、既存照明としてHf蛍光灯やFL蛍光灯を使用している事務所、住宅などで蛍光ランプを購入できなくなり、LED光源への交換が避けられない状況となる。
廃止対象の蛍光ランプについては、2027年以降であっても利用することは可能であるが、交換ランプが入手できなくなることから、LED化を図らなければ光源としての利用ができなくなってしまう。実験器具などでやむを得ず蛍光灯を必要とする場合は、在庫が残っているうちに確保する必要があり、時間が経過するにつれて入手困難になることが予想される。
蛍光灯器具及びランプが購入できなくなることで、ユーザーは蛍光灯のソケットにそのまま接続可能なLEDランプに交換するか、照明器具そのものを交換しなければならなくなる。蛍光灯形状のLEDランプは、ランプ交換だけでLED化を図ることができるという利点があるが、グローランプやラピッドスタート型による回路の違いで不点灯を引き起こしたり、LED用のダミー点灯管を取り付けたり、回路をバイパスするといった加工が必要になることもあり、ユーザーの混乱を引き起こすおそれがある。
近年では材料価格の高騰などにより製品価格が高くなっており、LEDの消費電力低減といった性能向上も頭打ちになりつつあるため、早期に器具交換を進めるのが望ましい。蛍光灯からLEDに交換することによりランプ交換の頻度が少なくなり、消費電力も小さくなるため電気代の低減も期待できる。長期的な目線でコストメリットが期待できるため、LED化を随時進めていくと良い。
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