電気設備の知識と技術 > 電気の基礎知識 > スイッチとプレートの種類
照明器具や換気扇など、電気機器のオンオフを行うためにはスイッチを使用する。これら電気設備用のスイッチは、住宅から業務施設に至るまで、ほぼすべての建築物で使用される。手元スイッチも、住宅用のワイドスイッチや、遠隔操作を行うためのリモコンスイッチなど、多種多様なスイッチが存在し必要箇所に応じた選定が必要となる。
スイッチには数多くの種類があり、ランプが搭載されているものや複数場所でオンオフができる3路スイッチものなどがある。家庭用機器で電気スイッチといえばほとんどが照明用途であるが、照明の他に換気扇の運転などもスイッチによってオンオフしている。
ここでは、照明や換気扇の動作や電気機器を点灯・消灯させるための電気用スイッチの種類、計画方法を解説する。あわせてスイッチに付属するスイッチプレート、スイッチカバーの種類と選定方法についても解説を加えている。
照明や換気扇等を運転させるためのスイッチは、存在がわかりやすく、押し易く、押し間違えがないよう計画しなければならない。取付位置には細心の注意が必要である。照明用途など、毎日必ず使用するスイッチにおいて取付位置に不備があると、不便さが際立ってしまうため、使い勝手を優先して計画することが求められる。
常時室内に人が居て、必要に応じてオンオフさせる必要がある場合にはスイッチを室内に設ける。倉庫など、室内に普段人がおらず、入室する際に点灯し退室時に消灯する用途の場合は、照明が点灯していることが確認できないため、室外に設けると良い。
照明のスイッチは入口部、主要動線の2点に注意して配置する。人がどう使うかを考えてスイッチを配置することを考え、扉を開けて暗がりを歩いてスイッチを探すような計画は避けなければならない。
スイッチは、扉の背面にならないように配置するのが原則である。扉の裏側にスイッチが配置されていると、オンオフするためには暗い状態の部屋に入り、一度扉を閉めてから操作するという不合理な配置となってしまい、運用上の大きな問題となる。
出入口が二箇所以上あったり、階段の上下フロアごとに照明スイッチを設ける必要がある場合、2箇所以上でオンオフできるように3路スイッチや4路スイッチを用いて計画する。人の動線や位置を把握し、使いやすい場所にスイッチを計画する。
照明スイッチの一般的な取付高さは、住宅の場合、床から1.2mの位置を中心とする。オフィスビルなどの業務施設では、靴を履いた大人が操作することを前提としているため高さ1.3mを中心として利便性を高めているが、住宅内では靴を脱いでスイッチを操作することや、子供も操作するといった使い勝手の違いに対応するため、若干低めの位置となっている。
スイッチ取付の注意点として、スロープ部分や踏み込み部分にスイッチを設ける場合、操作想定場所が低い側なのか、高い側なのかを検証しなければならない。OAフロアなど、コンクリート面と仕上げ面に段差がある場所では、取付高さがフロア仕上げ分だけ高くなる。フリーアクセスフロア高さを加算した取り付け位置としなければならない。
スイッチは点滅器とも呼ばれ、照明器具の回路を片切スイッチでオンオフする基本形のほか「照度センサーを内蔵して自動点滅する方式」「明るさの変化を検出する方式」「リモコンで遠隔操作する方式」など、多くの制御方式がある。
扉入口付近に設置する壁付スイッチは、室内側のドアノブから200mm、ドア枠から150mmの位置に設置するのが一般的である。部屋に入るために扉を開け、すぐにスイッチに手が届くよう配慮する。ドアノブの反対側や、開いたドアの影になる位置にスイッチを配置してはならない。
常時人が居ない倉庫や物置、トイレでは、室内ではなく室外にスイッチを設ける。部屋の中に入らなくても、照明が点いているか消えているか判断できるので、消し忘れの発見に有効である。スイッチの状態をわかりやすくするため、スイッチをオンにした際に光る「オンピカスイッチ」を採用するのも一案である。
部屋の外にスイッチを計画する場合、倉庫の中で作業している人がいるのに、誤って照明を消すというリスクが考えられる。最近では、省エネルギーの観点から人感センサー付きの照明器具として「人がいる時だけ点灯し、退室したら自動で消灯する」という仕組みにしておくと、最低限の時間のみ点灯させることができ、消し忘れも防止できるため省エネルギーに寄与できる。扉を開けることで点灯させれば、使い勝手も大変良い。
貸し事務所など、大部屋の内装に対し賃借人が内装設計をするような建築物では、柱の中心にスイッチやコンセントを設置するのを避けるのが良い。
柱は、会議室や休憩スペースなど、小部屋を仕切る場合に活用され、主に「間仕切り想定位置の中心」とされることが多く、スイッチが柱のセンター位置にあると、間仕切り壁の組み立てに干渉することがある。
スイッチの移設工事が発生し、余分なコスト発生の原因となるため、どうしても柱にスイッチを設置しなければならない計画では、柱の中心部ではなく、左右どちらかに寄せて設置することを検討すると良い。柱幅を1/3で分割し、そのいずれか片方に移動すると、間仕切りに干渉せず、かつ壁に近すぎるという不具合を防止できる。
片切りスイッチは、1箇所の場所から対象負荷をオンオフさせるための電気スイッチである。照明器具をオンオフするスイッチとて最も一般的であり、家庭用に限らず業務施設でも広く普及している。パナソニック製、東芝製などが比較的入手しやすいメーカーである。タンブラスイッチという名称でも呼ばれている。
国内で片切りスイッチを取り付ける場合、右側を押すとオン、左側を押すとオフになるのが基本ルールであり、逆向きに取り付けないように注意する。スイッチ本体にメーカー名が刻まれていることが多いので、向きが逆さになっていないことを確認してから取り付けるようにすると良い。
スイッチを配線する場合「固定極に黒線を接続する」という昔からのルールがある。絶縁体でパッケージされた片切スイッチが普及してから、そのルールは厳密ではなくなったが、かつては、十分部が露出していた「ナイフスイッチ」という製品が使用されており、可動部分が充電部となると、手で触れる部分が充電部に近接して大変危険なため、固定されている部分を充電部とし、可動部分に白線を繋ぐのを基本としていた。
片切スイッチは固定極、可動極のどちらも絶縁されたパッケージの内部に収容されているため、どちらに接続しても高い安全性が確保されている。しかし、古くから電気工事を行っている経験者からすれば「固定極には黒線」という常識を順守していることも多いので、昔からのルールに基づいて施工をするのが安心ともいえる。
ワイドスイッチは、片切りスイッチを大型にして押しやすくした製品である。指で押すだけでなく手の甲や肘でもボタンが押せるため、手が塞がっていてもオンオフが容易である。操作面が広くて押しやすいが、強い力を掛け過ぎるとスイッチが戻らなくなったり、ツメが欠けてしまったりするので注意を要する。マンションや住宅では、電気スイッチにはワイドスイッチが採用され、現在の主流である。
ワイドスイッチの中には、スイッチ本体が取り外せるようになっており、リモコンとして照明のオンオフができる製品も販売されている。非常に便利な機能であるが、リモコンを紛失しないよう、管理に注意を要する。
引きひもを引くことでオンオフするスイッチである。住宅では和室のペンダントライトでの採用が多く、業務用では直付蛍光灯に引き紐を設け、使う場所だけ照明を点灯するという使い方ができる。
プルスイッチ付きの照明器具は器具内部に接点が設けられており、機器単体でのオンオフが可能である。古い市役所や庁舎の建築物などで見かけることが多い方式である。
照明から引き紐が多数下がるのは美観上好ましくないため、採用実績は少ない。省エネルギーを優先し、意匠性よりも機能性を優先する「工場」などであれば、大きな節電効果を得られる。
3路スイッチは、2箇所の場所から1つの対象負荷をオンオフするためのスイッチである。住宅の廊下や、入口が2箇所ある居室などで採用する。どちらのスイッチからでも照明をオンオフできるため、階段の上下階でひとつの照明をオンオフしたい場合も用いられる。
3路スイッチでは2箇所までのオンオフしかできない。3箇所以上の場所でひとつの回路をオンオフしたい場合、端部に3路スイッチを使用し、中継として4路スイッチを組み合わせる。
4路スイッチは、3路スイッチと組合せて使用し、3箇所以上の場所から1つの回路をオンオフするためのスイッチである。外見は3路スイッチと同じなので、背面にある回路図で判別する。
4路スイッチを組み合わせた回路では、回路構成は「3路-4路-3路」「3路-4路 … 4路-3路」というように、端部に3路スイッチを設け、中継用として4路スイッチを接続する。4路スイッチは、電圧降下や許容電流が許す以上、いくつ繋いでも問題ない。
遅れスイッチは、スイッチを切状態にしても数十秒~数分に渡り、スイッチ内部機構がオン状態を継続するスイッチである。玄関の照明スイッチや、トイレにおける照明と換気扇の連動に用いる。
玄関ではスイッチをオフにすると、その瞬間に真っ暗になってしまいドアノブの位置がわからない。遅れスイッチを採用すれば、照明スイッチをオフにしても、一定時間はスイッチ内部の機構がオン状態を維持するので、ドアノブを掴みドアを開ける程度の時間、照明が点灯したままとなるため便利である。
照明と換気扇を同一回路としているトイレでは、使用後に照明をオフにすると消灯と同時に換気扇も止まってしまうため、臭気を排出するには不十分である。遅れスイッチを使用することにより、照明を消した後でも数分間は換気が継続するので、臭気の排出には十分である。
ホテルの客室照明でも遅れスイッチが採用される。ビジネスホテルでは、客室照明の点灯でカードホルダーにキーを差し込む事が多いが、カードキーを抜いた瞬間に照明をオフにせず、10~15秒は照明点灯を維持する。カードを抜いた後、ドアを開けるまでは照明点灯が維持され、ドアノブを安全に掴むことができる。
タイマースイッチは、スイッチを入れると目盛に示された時間はオン状態を継続し、設定時間を経過するとオフとなるスイッチである。従来から、住宅の浴室換気扇ではタイマースイッチが使用されており、現在でも高い普及率を誇る。
24時間換気システムが普及し、浴室換気扇用のデジタルパネルスイッチを用いることもある。業務用施設では電灯盤内にタイマーやリレー、マグネットスイッチなどを組み込み、中央監視装置や照明制御盤でスケジュール制御を行うのも一般的である。
タイマースイッチは、タイムスイッチという名称で呼ぶこともある。詳細をタイムスイッチ・タイマースイッチの種類と特徴を参照。
ほたるスイッチは、オフ状態の際に内蔵ランプが光るスイッチである。暗闇に光る蛍をイメージして「ほたる」という名称が用いられている。オフピカスイッチとも呼ばれている。
ほたるスイッチをオンにすると、内蔵ランプが消灯する。部屋に外光が入らない暗い部屋では、スイッチの場所を探せないことがあるので、ほたるスイッチを採用することでスイッチの位置をランプで示す。
住宅では階段照明、廊下照明、トイレの廊下スイッチにほたるスイッチを採用することが多く、暗がりでスイッチを探すのが容易である。
ほたるスイッチはLED照明と適合しないことがある。ほたるスイッチを使用した回路にLED照明を接続すると合、ほたるスイッチの電球に流れる微小な電流に照明が消灯しているのにもかかわらず、LED照明もぼんやりと点灯したり、点灯、消灯を繰り返すような不具合が発生する。LED照明がほたるスイッチに対応しているか、メーカーの公表資料などを用いて確認するのが良い。
オンピカスイッチは、オンにすると内蔵されたランプが同時点灯するスイッチである。換気ファンなど、照明以外の負荷と組み合わせて使用する。
照明は、スイッチをオンにすれば照明が点灯するので、スイッチが入っているかはすぐに判断できる。しかし、換気扇など、音があまり聞こえない電気機器の場合、付け忘れ、消し忘れをしてもすぐに気が付かない可能性がある。オンピカスイッチを採用することで、機器が運転しているか、ランプで判別できるようになるため便利である。
調光スイッチは、照明器具の明るさを調整できるスイッチである。調光可能型の蛍光灯、白熱電球、LEDランプの明るさを調整できるスイッチである。調光対応ではない電球型蛍光灯やLED照明は、調光スイッチを接続しても明るさを変えることはできず、ランプの破損につながるので接続してはならない。
白熱電球やハロゲン電球は、電圧を調整するだけで調光可能であるが、LEDや蛍光灯は仕組みが違うため、電圧を変えると寿命が著しく低下する。調光スイッチを100%設定にしても同様で、故障につながるのは変わらない。
電球型蛍光灯を調光するには、調光対応型の電球型蛍光灯を使用する。未対応の蛍光灯電球を調光した場合、電圧異常による寿命低下・ちらつきが発生し、場合によっては破損するので、適合した器具と電球を使用するべきである。
近年ではLED照明が幅広く普及し、調光機能付きLEDが安価に選定できるようになった。LED照明は調光の反応性が良く、白熱電球のように1~100%まで調光できる製品があるので、高い品質を確保できる。
調光器スイッチが設けられている回路は、以前使用していた調光スイッチの仕組みと、新たに交換するLED照明の調光スイッチの仕組みを整合させなければならない。LED照明と白熱電球の調光方式が違った場合、調光できず破損につながるため注意が必要である。
白熱電球は電圧を調整する「位相制御方式調光」の方式であり、配線器具を交換することなくLED照明を調光するには、LED照明も位相制御方式対応に対応した製品を選定しなければならない。
調光の方式や特徴の違いについてはPWM調光と位相制御調光の違いを参照。
人感センサースイッチは、赤外線センサーにより、人などを検知して動作するスイッチである。倉庫など普段使用しない部屋で採用すれば、消し忘れ防止を図ることができる。倉庫のほか、駐輪場やゴミ置場などでも人感センサースイッチを適用できる。人がいない間は自動で消灯できるため消し忘れもない。
人感センサースイッチは防犯用としても効果を発揮する。玄関灯に人感センサースイッチを組み込めば、深夜に玄関に不審者が近づいた場合、ランプを点灯させて威嚇できる。ピッキングなどを目的に近づく不審者は、明るく照らされるのを避ける傾向にあるので、高い防犯効果を得られる。
照明器具は突入電流に弱く、繰返し点滅を行うと寿命が著しく短くなる。人感センサーはその性質上オンオフ頻度が高くなるため、点滅に対して強化された照明器具を使用しなければ、すぐにランプが不点となる。
人感センサーを照明回路に用いる場合、点滅を強化した蛍光灯やLED電球を用いるのが良い。
専用のタブレットを抜き差しすることで、照明器具をオンオフする。ホテルの客室や専用会議室などで使用されており、消し忘れ防止に役立つ。
ホテルで一般的な手法として、カードキーやタブレットを差し込んだと同時に点灯する照明回路を設定しておけば「ウエルカム点灯」として、入口やベッドルームの照明器具を点灯させ、利用者への訴求性を高められる。
カードやキーを抜いても、数秒間は消灯しないようタイマー制御を組み込めば、消灯までの間に忘れ物を取り戻ったり、夜間であれば暗闇の中でドアノブを探すこともない。
スイッチを手動で操作することなく、周囲が暗くなれば自動でオンとなり、周囲が明るくなると自動でオフにするスイッチである。屋外の庭園灯や街路灯に広く使用されている。
自動点滅器を設置すれば、照明器具ごとに明るさを検出してオンオフが可能となるため、コストを低く抑えつつ、夜間照明を効率良く運用できる。
自動点滅器採用の注意点として、多数の自動点滅器を使用すると、植栽や建物の影、自動点滅器の汚れ方の違いなどを要因として、照明器具の点灯タイミングにばらつきが発生する。街路灯や庭園灯など、整然と並んでいる照明器具であれば、ひとつの自動点滅器で群管理することが望まれる。
屋外にスイッチを設ける場合に使用するスイッチは、防水スイッチとして区分されている。スイッチの前面を防水ゴムで覆った製品や、可動部を含めて防水化したものがある。
屋外に設置するスイッチは雨や湿気に晒されるため、屋内用スイッチをそのまま外部に設置すると、絶縁劣化による漏電事故の発生や器具にサビが発生するおそれがあるので、防水スイッチを採用するのが原則である。
雨が直接当たらない軒下などであっても、高い湿度によってスイッチの絶縁性能が劣化することが考えられるので、防水スイッチを使用するのが良い。
スイッチプレートとは、照明のスイッチやコンセントなど、埋込用の配線器具を取り付けた上に被せて使用する金属、または樹脂製のカバーで、安全性や意匠性の向上を図るものである。
住宅用として、樹脂製で白・ベージュなど落ち着いた色合いの「モダンプレート」、事務所や店舗用として、耐候性・耐久性の高い「新金属プレート」が幅広く使用されている。耐候性を高めた製品として「ステンレスプレート」なども、スイッチプレートの一種として販売されている。
主に住宅用スイッチプレートとして普及しており、従来のフルカラー配線器具よりも操作面積が大きく、プッシュオン・プッシュオフ機構により操作が容易となる。オンオフの状態によってスイッチの押し込まれている位置が変わらず、フラットな形状が維持される。
表面の面積は従来の片切スイッチの7倍も大きいため、指ではなく肘や手の甲などで操作することもでき、不慣れな子供やお年寄りのスイッチ操作にも適している。
モダンプレートはプラスチック製の無地スイッチプレートであり、住宅や事務所などで広く使われている。壁紙や塗装にマッチする落ち着いた色合いが特徴である。
プレートの表面が樹脂製であり、業務用掃除機やイベント会場の電源用など、頻繁にコンセントを抜き差ししたり乱暴な使い方をすると、スイッチプレートにキズや割れが発生する。
使い方が乱暴になるおそれがある場所や、頻繁なコンセントの抜き差しが考えられる場所は、新金属プレートやステンレスプレートなど、強度が高い金属製のスイッチプレートを採用すると良い。
新金属プレートとは、耐食アルミニウム合金を使用したスイッチプレートで、ABS樹脂のスイッチプレートよりも強度が高く腐食に強いため、業務施設用のスイッチプレートとして広く普及している。
業務用施設はコンセントやスイッチの使用頻度が高く、かつ不特定多数が使用するため、耐久性の高い新金属プレートが多用されている。繰り返しコンセントの抜き差しを行うような、耐久性が求められる箇所に適している。
新金属プレートには、表面にネジが見える「1種スイッチプレート」と、ネジを内側に収納した「2種スイッチプレート」がある。ネジを内側に収容した製品は意匠上すっきりとした見栄えになるが、ネジの取り外しにわずかながら時間を要する。
新金属プレートの表面はホワイトブロンズカラーとなっており、住宅や、高級感を必要とする部屋にはあまり適していない。壁の仕上げにクロスを貼る場所など、その種類・塗装色によっては違和感を覚える可能性がある。新金属製よりABS樹脂のカラープレートが、デザイン上マッチすることもある。
新金属に似た色合いや形状であるが、素材をステンレスとすることで強度や耐久性をより高めた製品である。光沢が新金属よりも強く、室内で使う場合は経年劣化がほとんどないが、指紋がつきやすく汚れやすいという欠点があるため、定期的な清掃が不可欠である。
新金属製プレートが広く普及し、ステンレスプレートの流通量がそれほど多くないため、他のスイッチプレートと比べて単価が高いことに注意が必要である。
住宅や宿泊施設用に、陶器、木、真鍮、大理石、ステンレスなどを使用した製品が販売されている。これらの特殊プレートは、標準販売されているモダンプレートや新金属プレートと違い、意匠性に優れたものであるが、単価が高く一枚あたり数百円~数千円までのラインナップがある。
クロムメッキのプレートや、アンティーク調に仕上げたものなど、列挙にいとまがないほど多数販売されているため、設置する周囲の状況にあわせて選定できる。
木造住宅では、木の色合いや木目を活かしたデザインがあるため、スイッチプレートも木製を選定するとデザインがマッチする。木目を生かした製品や、ネジが隠れるように設計された製品など、デザイン性の高いスイッチプレートが数多く販売されており、洋風建築やカントリー系の住宅内装で使用できるよう真鍮製のスイッチプレートも存在する。
和風建築に適合するよう、漆塗りのプレートや陶器製プレートなど、多様化する内装デザインにあわせて、数多くの製品が販売されている。陶器製プレートは割れやすく、木製や漆塗りプレートはひび割れ・キズなどが発生するおそれがあるため、取り扱いに注意が必要である。
他にも、映画やアニメキャラクターの絵柄などがプリントされているプレートも販売されており、子供部屋など、住宅用として使われることが多いが、同様に単価が高い傾向にある。
コンセントやスイッチ本体を交換する場合は電気工事士の資格が必要であるが、スイッチプレートの交換に電気工事士資格は不要である。スイッチプレートを取り外すことで内部の充電された配線が露出することになり、不用意に接触すると感電事故につながるので、プレートを取り外す場合は対象となる電気回路のブレーカーを落とし、電気が来ていない状態で作業を行うのが安全である。
スイッチプレートの左右または上下にツメがあり、指やマイナスドライバーを引っ掛けて外せる。プレートを外すと、壁の裏側にスイッチボックスという金属またはプラスチックのケースが入っているか、はさみ金物で壁に挟み込まれて、連用取付枠と呼ばれる金属製の枠で壁に固定されている。
ベース部品が、取付枠にネジで固定されているため、プラスドライバーでネジを回してベース部品を取外し、新しいベース部品を取り付け、スイッチプレートをはめ込むことで交換できる。
プレートやボックスを固定するネジの位置は規格化されているため、同じサイズのスイッチプレートを用意すれば、問題なく取り付けられる。コンクリート躯体にボックスが打ち込まれている場合は、多少の力を入れても壊れにくいが、石膏ボードに固定されているスイッチボックスやはさみ金物の場合、締め付け過ぎると石膏ボードが破損してしまい、設置が不可能になるので、取付は慎重に行うべきである。
ブランクプレートは、スイッチやコンセント器具を取り外したあとに、ボックス内部に異物が侵入しないように塞ぐためのプレートである。表面に何も開口がないため、照明器具などを取り外した後に、プレート止めとすることがある。
防水パッキンが付属したスイッチプレートであれば、防水性を保つことが可能である。意匠性が必要な場合はモダンプレートを使用し、耐候性が必要な場合は新金属製や、ステンレス製のスイッチプレートを選定すると良い。
2個用や3個用の開口があるスイッチプレートを採用した場合で、開口部が余ってしまった場合、開けたままにすると内部にほこりや虫の異物が侵入し危険なので、ブランクチップを使用して開口を塞ぐ。
ブランクチップは自由に取り外しができるので、将来的に配線を入れ替えたり、スイッチやコンセントを増設する際にも便利である。
一つのプレートに、コンセントやスイッチを取り付けられるもので、一般に呼ばれる「スイッチプレート」と同義である。上下に2個取付できるもの、3個取り付けできるものがあり、規格品のため各種メーカーのスイッチやコンセントが適合する。
ボックスとプレートの間に位置し、連用コンセントや連用スイッチを取付け、ボックスとプレートを固定するために使用する金属枠である。
金属製よりも絶縁性が高い、ABS樹脂製の絶縁取付枠もある。樹脂製であり、金属製と比べて強度が劣る。
連用枠は何度も取外し再取付が可能であるが、連用スイッチの取り外しや交換を何度も繰り返すと、固定部分が金属疲労により破損するので、数回に留めるのが限界である。