電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 予備配管
予備配管とは、電力ケーブルや通信ケーブルなどの通線用に、将来的な増設や事故時の復旧に備えて設けられる予備の配管である。予備配管を設けておくことで、通信設備や電気設備の拡張・変更・修繕が行いやすくなる。予備配管は本設の配管と同じサイズを設けておくことが望ましい。
予備配管を実装管路と同一サイズにすることが望ましい理由として、事故時のケーブル振替えが挙げられる。高圧電線路の事故発生時には、建物全体が停電してしまうことになるため、迅速な復旧が求められる。予備配管を設けておくことで、ケーブルの振替えが迅速かつ安全に行えるようになる。
通線工事が完了した後に施工することを考慮し、予備配管の内部に「呼び線」と呼ばれる電線引き入れ用の鉄線を挿入することが望まれる。この呼び線を利用することで、後から通信ケーブルなどの配線を引き入れする際の施工性が向上する。
予備配管は高圧だけでなく、低圧や弱電用としても一般的に使用されるものである。LANケーブルや光ケーブルなどの通信設備に必要不可欠なもので、特に住宅やオフィスビルなど、竣工後に通信ケーブルを敷設することが困難な場合には、予備配管を壁・天井内に設けておくことで、拡張性が高まる。
しかし、予備配管を設けることにより、建設費用が増加するというデメリットもあるため、設計段階での十分な検討が必要である。
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