サイトロゴ

電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 断路器

 Blueskyのアイコン

断路器

電流が流れていない電路を開閉するための装置。ジスコン(ディスコン)とも呼ばれ、単線結線図ではDSと表記する。遠隔で動作する機構はなく、真空遮断器の一次側に設置して、遮断器で開放された受変電設備に対して、より確実な無電圧状態を確保するために用いる。

断路器を設置することで、真空遮断器や保護継電器を無電圧状態とでき、これら遮断器本体の交換や点検が可能になる。断路器を設けない場合、遮断器を引き出し式にしなければ、受電点での停電が必要となり、かつ作業者が自ら停電確認できないため、作業の危険性が高くなる。

断路器の操作は、ジスコン棒(ディスコン棒)と呼ばれるフック棒を断路器に引っ掛けて、人力で押し込む、または引っ張ることで操作する。わずかな隙間状態が継続するとアークの原因となるため、フック棒を勢い良く操作するのが原則である。

断路器操作用のフック棒は、絶縁性能の高い塩化ビニルやFRP製が一般的で、絶縁性能の維持を目的として吸水性のない部材が用いられる。

通常時はキュービクルの内部に収容スペースを設けておくと、作業時に探すことがなく便利である。使用時にすぐ見つけられるよう「フック棒収容場所」というシールを、収容している盤のハンドルキー付近に貼っておくと良い。

断路器は電圧を開放する機能しか持っておらず、負荷電流が流れている状態の電路を開閉できない。無理に断路器で負荷電流を開放すると、端子間にアークが発生し、これを消弧する機構を備えていないためアークは制御されることなく飛散してしまう。飛散したアークが極間や大地(ケーシング)に渡ると、アークを通じて短絡事故や地絡事故につながるため大変危険である。

受変電設備の設計では、ヒューマンエラーによって負荷電流が発生している状態で断路器が開放されないよう、断路器の二次側にある遮断器とインターロックを組み「遮断器投入状態では断路器が動作しない」という機械的な保護機構を備えるのが安全上望ましい。

断路器と真空遮断器のインターロックや、受変電設備設計の詳細については真空遮断器・断路器・気中負荷開閉器を参照。

 
カテゴリー
エアコン室外機の写真
電気の仕組み、発電所から家庭に送られる電気の流れ、直流と交流の違いなどを紹介。
風力発電の写真
新エネルギーとして代表的な太陽光発電、風力発電、燃料電池や、排熱再利用など。
ライティングレールに取り付けられたスポットライトの写真
照明設計の基礎知識、実務における応用、電球の特徴と選定方法などの照明設計。
分電盤の測定写真
電気計算の基礎となる幹線設計やケーブルの選定方法、配線器具の計画、電線管の種類と使い分け。
設備時計の写真
電話、LAN、テレビ共聴、構内通信、電気時計など、弱電設備の設計や計画について。
ボックスに収容されたケーブルの写真
電力ケーブル、通信ケーブル、光ファイバーなど数多く存在するケーブルの特徴を解説。
辞書を見る人の写真
電気設備で使用される機器、材料、技術、指標や単位を解説したオンライン電気設備用語辞典。
柱上に取り付けられた変圧器と電線の写真
受変電設備の設計、各種保護装置の選定方法、受変電設備を構成する保護リレーの種類と整定方法など。
誘導標識の写真
非常用照明、誘導灯、自火報、非常用発電機、防災用蓄電池など、災害発生時に使用する防災設備を学ぶ。
机の上に置かれた辞書の写真
電気設備の関連業務を行うにあたり、必要と考えられる各種資格について学ぶ。
自然をイメージした植栽の写真
カーボンニュートラルを達成し、二酸化炭素の排出を削減と吸収の技術について解説。

Copyright © 2009-2024 電気設備の知識と技術 All rights reserved.