短絡

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短絡

電位差のある2点間が導通状態になること。一般的に「ショート」と呼ばれる状態であり、電気回路に著しい損傷を与える事象とされているため、電気設備の設計にあっては、短絡を防止し、短絡が発生しても即時に電気回路を開放・遮断できる保護装置の構築が求められる。

電気設備の分野では、電源側と接地側が「負荷(抵抗)」なく導通した状態であり、100V回路では「白線」と「黒線」をそのまま接続した状態などが代表的である。

抵抗値がほぼゼロのため、電気回路には極めて大きな電流が流れ、その経路にある電線、遮断器、開閉器、端子台などに急激な発熱、衝撃を与える「電気事故」のひとつとして扱われる。

充電されている電路と接地側が短絡状態となると、その回路に存在する抵抗は「電線のみ」となり、極めて大きな電流が流れる。発生した電流は電線抵抗に応じた熱を発生させ、ケーブルや配線器具がすべて加熱されて発煙・発火に至る。

短絡電流と保護

短絡による発熱は数百度にも及ぶため、電路を即時に遮断しなければ、ケーブルや配線器具が電流により発熱して出火し、火災の原因となる。この瞬間に発生する大電流は「短絡電流」と呼ばれ、変圧器の付近であれば、その電流値は数千~数万アンペアにもなる。

短絡電流は、遮断性能の高い配線用遮断器やヒューズを用いて遮断しなければならない。家庭用分電盤に設けられている小型の分岐遮断器は、2kA~4kAといった小さな電流しか遮断できないため、数万アンペアに及ぶ変圧器付近の短絡保護にあっては、25kA~50kAといった遮断器を選定して、大電流に対する保護を行う。

短絡電流は定格電流の数十倍以上にもなり、電路を構成する発電機、変圧器、電線に極めて大きな負担を与え、焼損させる原因となるため、電路をすぐに開放しなければならない。

短絡電流の保護方法や、遮断方法の詳細については短絡電流の遮断・保護を参照。

 
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