電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 単線結線図
電気回路系統を単線で示した結線図。電気設備の設計図では、特別高圧の受変電設備、高圧の受変電設備(キュービクル)、電灯分電盤や動力制御盤の内部結線などが、代表的な単線結線図として取り扱われている。
動力盤・電灯盤の保護回路や制御回路も単線による結線図を示し、電気設備設計図では代表的結線方法の記載までに留まる。単線結線図は「単結」や「スケルトン」とも呼ばれ、英語表記では「skeleton diagram(スケルトン・ダイヤグラム)」とも称し、回路全体の機器構成や、結線の考え方をまとめるのに適している。
アルファベットや数字による略称、各種記号を使用し、変圧器、コンデンサ、遮断器、開閉器、保護継電器、接地、計器類、ランプやブザーなどをシンボルマークで表現する。
受変電設備や分電盤・制御盤の接続方法、仕様、容量などがわかりやすく単線で表現されており、その構成が容易に把握できるようになっているが、単線結線図は一本線で回路を記載しているため、盤製作の段階にはてきていない。この単線図を具体化し、必要な配線本数まで詳細に記載したものを「複線結線図」や「三線結線図」と呼ぶ。
単線結線図は、受変電設備や各種盤の内部構成を理解するために必須の図面であり、電力会社との事前協議においては単線結線図を用いて必要な安全性が保たれているかを判断したり、ケーブルサイズの選定や保護協調に問題がないかを確認するための資料として活用する。
電気工事士試験では二次試験(実地試験)においては、単線結線図をもと、電気回路を組み立てる実地試験が出題される。単線結線図のままでは、各々の機器に電線が何本接続されるか不明であり、結線違いの原因となる。単線結線図を複線結線図に書き換えて、配線本数を把握してから回路作成に取り掛かると、ミスを防止できる。
受変電設備で使用される計器、保護継電器類の記号・番号については受変電設備の記号・機器名称を参照。
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