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錫めっき

錫めっきの概要と二つの主要な役割

錫めっき(Snめっき)は、古くから利用されてきた表面処理技術の一つである。錫(スズ)は、化学的に安定しており人体に無害、さらに融点が低く加工しやすいという特徴を有している。

このめっき技術は、大きく分けて二つの主要な適用分野を持つ。

  • 食品分野:毒性がなく安全性が高いため、缶詰の内面(ブリキ)や食器、調理器具に使用される。
  • 電子部品分野:はんだ(錫と鉛などの合金)との濡れ性が非常に良好であるため、プリント基板や電子部品の端子処理として不可欠である。

防食メカニズム:バリア効果

防食機構について、頻繁に比較対象となる「亜鉛めっき」との差異を理解することが重要である。

亜鉛めっきが、鉄が腐食する前に自らが溶け出す「犠牲防食」を行うのに対し、錫めっきは「バリア効果(被覆防食)」によって鉄部を保護する。錫は鉄よりもイオン化傾向が小さく、緻密な皮膜で酸素や水分を物理的に遮断することで鉄の腐食を抑制する。

ただし、これには欠点も存在する。万一、皮膜に「ピンホール」や「傷」が生じて素地の鉄が露出すると、その欠陥部から鉄の腐食が集中的に進行するリスクがある。したがって、錫めっきにおいては「均一で欠陥のない皮膜」を形成することが品質管理上の重要課題となる。

施工方法の特徴

錫めっきの施工には、主に二つの方法が用いられる。

電気錫めっきは、電気分解を利用して常温~60℃程度の低温で処理する方法である。膜厚をミクロン単位で精密に制御可能であるため、複雑な形状の電子部品や、微細な端子へのめっきに適しており、現在の主流工法となっている。

溶融錫めっきは、約230℃に溶融した錫槽に製品を浸漬する方法である。「ドブ漬け」とも呼ばれ、厚い皮膜を形成できるが、熱による製品への影響や、膜厚の均一性制御が困難な側面もある。薄い被膜を構成したい場合には適していない。

他のめっきとの比較と選定基準

用途に応じためっき選定の基準は以下の通りである。

  • 錫めっき:食品接触用途や、はんだ付け性が要求される部材に最適である。ただし、皮膜が軟質であり損傷しやすい点には留意が必要である。
  • 亜鉛めっき:赤錆を防止したい構造物に最適である。皮膜損傷時も自己修復的に鉄を保護するが、はんだ付け性や食品安全性は錫に劣る。
  • ニッケルめっき:硬度や装飾性が必要な場合に適しているが、金属アレルギーのリスクがあるため食品用途には不向きである。
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