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総合収容箱

自動火災報知設備の操作・警報パッケージ

総合収容箱とは、自動火災報知設備(自火報)のシステムにおいて、火災を発見した人間が手動で通報を行うための「発信機」、その位置を知らせる「表示灯」、そして火災発生を館内に周知するための「地区音響装置(非常ベル)」の3点を、一つの金属製ボックスに一体化して収納した機器である。「機器収容箱」や、単に「総合盤」とも呼称される。

これらの機器は、消防法により設置場所や相互の距離が密接に関連付けられているため、個別に壁面に配置するよりも、パッケージ化された収容箱として設置する方が、配管・配線工事を簡略化でき、壁面の美観(意匠性)も向上するというメリットがある。ボックスの形状には、柱や狭い壁面に適した縦型と、一般的な壁面に適した横型があり、設置スペースに応じて選択される。

構成機器の機能と法的基準

総合収容箱に収められる主要機器には、それぞれ設置基準が定められている。

発信機は、P型1級またはP型2級が使用される。押しボタンを押すことで受信機へ火災信号を送る装置であり、P型1級には受信機と通話するための電話ジャック(通話孔)が備わっている。設置高さは、床面から0.8m以上1.5m以下の範囲とされ、子供や車椅子使用者でも操作可能な位置に配置する必要がある。また、いたずら防止のための保護板(プラスチックカバー)が設けられている。

表示灯は、発信機の直近(上部15度以内の角度から10m離れた位置で識別できる場所)に設置義務がある赤色のLEDランプである。平時は常時点灯しており、火災時や夜間、停電時であっても発信機の位置を明確に示す役割を担う。

地区音響装置は、モーター駆動の電鈴(ベル)であり、火災信号を受けて鳴動し、建物内の人々に避難を促す。収容箱の表面には、ベルの音を外部へ拡散させるための音響孔(パンチングメタルやスリット)が加工されており、中心から1m離れた位置で90dB以上の音圧を確保しなければならない。

壁に設置された総合収容箱

屋内消火栓箱との一体化施工

オフィスビルや商業施設においては、総合収容箱を単独で設置するだけでなく、屋内消火栓箱の上部や側面に組み込んだ「消火栓連動型(一体型)」として施工するケースが一般的である。消火栓と自火報機器は、共に廊下や階段室の出入口付近に設置されることが多いため、これらを一体化することで設置スペースを節約し、配管ルートを共有化することが可能となる。

設置形態には、壁面に埋め込む「埋込型」と、壁面に直付けする「露出型」がある。廊下などの避難経路に設置する場合、露出型では箱の厚み(約100mm~150mm)が有効幅員を狭めたり、避難者が衝突して負傷したりするリスクがあるため、建築的に可能であれば壁内に収める埋込型を選定するのが設計上のセオリーである。

非常放送設備との優先関係

一定規模以上の防火対象物では、自動火災報知設備に加えて非常放送設備の設置が義務付けられる。大規模建築物において、火災時にジリジリというベル音だけではパニックを招くおそれがある。

そのため、非常放送設備が設置することが求められる規模の建物においては、総合収容箱内のベルではなく非常放送設備で避難を促す。その場合、一般放送やBGMを強制的に停止させるためカットリレーを用いた制御が行われる。

設計図面において、発信機と表示灯のみで構成され、音響装置が含まれていない収容箱が見られるのはこのためであり、その場合は天井スピーカーから流れる音声警報が地区音響装置の役割を代替することになる。

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