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初期照度

新規に照明器具を設置した場合、点灯初期に発生する高い照度のこと。

蛍光灯照明の設計では、長期間使用し寿命末期となった時点での光束で照度計算を行うため、点灯初期に発現する光束は過剰であり、エネルギーの無駄を生じる。

初期照度は設計照度よりも1.2~1.3倍となる。初期照度の発生する期間は、いわゆる「明る過ぎる状態」となるため、これを補正する「初期照度補正機能」という機能が開発され、照明器具に内蔵されている。

初期照度補正機能とは、照明器具内にタイマーと調光装置を内蔵し、常に同一の光束が発現するよう調整することで省エネルギーを図るシステムである。初期照度補正を導入した照明器具は、点灯開始からランプ寿命までにおいて15%の消費電力の節電が可能とされる。

ランプ交換時には内蔵タイマーがリセットされるため、新品のランプについても初期照度補正が適用される。

注意点として、適切に初期照度補正機能を動作させるため、複数台のランプを装着する照明器具を交換する場合、同時に全てのランプを対象とする必要がある。方々のみのランプを交換すると、初期照度補正機能が適切に働かず、省エネルギー効果が発揮されない。

初期照度補正機能は、数多くの蛍光灯が設置されるオフィスビル照明の省エネルギー措置として広く普及していたが、近年蛍光灯器具の新設はほとんどなく、LED照明に置き換えられつつある。

LED照明は、初期と終末期の光束差が小さく、寿命が極めて長いため初期照度補正による省エネルギー効果が薄れることから、初期照度補正の機能そのものを取り外した照明メーカーもある。

照度計算の手法や、照明設計の考え方については照度計算の方法と計算式を参照。

 
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