集電箱
集電箱は複数のパワーコンディショナーからの交流出力をまとめるための電源接続盤で、複数のパワコン入力を合成し、出力ブレーカーから送電することが可能である。主に太陽光発電システムのような分散型電源設備において、複数の電力系統から送られてくる電気を一箇所に集約し、効率的な配線を行うために使用される。太陽光発電システムでは、多数の太陽電池モジュール(パネル)が設置される。これらは「ストリング」と呼ばれる直列回路や、「アレイ」と呼ばれる並列回路を構成し、最終的に集電箱へと配線される。
接続箱が複数あり、その直流電源をひとつにまとめる用途にも用いられるが、複数の入力ブレーカーがあり、出力がひとつであるという構成は同一である。いずれも複数の入力電源を受けて、出力をひとつにまとめて送電するという仕組みは変わらない。類似する製品に「設備箱」があるが、接続箱は太陽電池モジュールから直接延びる複数の細いケーブル(ストリング)をまとめて、1本の幹線ケーブルに接続する役割を担う。通常、太陽電池アレイの近傍に設置され、集電箱とは区別されている。
パワーコンディショナーからの入力は単相・三相いずれも対応可能であり、2~5回路程度の入力回路を受けて、1回路にまとめた大きな出力を行うものが一般的である。接続する電線サイズから、出力は300A程度を上限としていることが多い。電源容量を大きくまとめることで、ケーブル敷設本数を少なく抑え、効率良くかつ低コストで配線工事を行うために用いられる。
集電箱の主な役割
複数の入力経路からの電流を並列接続し、太い1本のケーブルでパワーコンディショナや変圧器へ送る。これにより、ケーブルの総延長を減らし、配線コストと電圧降下を抑えることが可能となる。各入力経路や全体系統に過電流保護装置(ヒューズやブレーカー)を設置し、事故電流や過負荷から設備を保護する。集電箱にはメンテナンスや緊急時に各回路を安全に遮断できるよう、内部に開閉器を備えている。最近の製品では、各入力系統の電流・電圧などを監視するモニタリング機能付きのものもあり、異常箇所の特定と迅速な修理対応を支援する。
集電箱は落雷による被害を受けやすいため、避雷器 (SPD: Surge Protective Device)を箱内に搭載し、落雷などによる異常電圧(サージ電圧)が機器に侵入するのを防ぐよう設計すると良い。












