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🏠 電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > システム天井
主にオフィスビルの天井で採用されるモジュール天井工法のひとつで、グリッドやラインの枠組み鋼材を天井下地として吊り込み、グリッドまたはラインにあわせた設備パネルや照明器具を取付けすることで、規格化による省力化を図ったものである。
規格化されたグリッド天井枠組み、設備取付けパネル、吹き出しや照明器具を組み込み、設計変更に伴う間仕切りの変更や、設備の位置変更などに柔軟に対応しつつも、コストダウンを図ることができる。
天井は照明器具や空調パネル等の重量物が設置されるため、地震時にその慣性力を受けることからの落下が懸念される。そのため落下防止の斜めブレース補強を適切に設け、建物の揺れとの共振を抑え天井落下を防止する必要がある。
また、補強を施した場合でも一定の揺れは発生するため、クリアランスを設けるのが効果的である。天井端部と壁の間にスリット見切りを設けることで、安全性を高めつつ端部がすっきりとする。見上げによる天井裏の覗き込みを防止するため、目隠し材を取付けると良い。
天井ボードはロックウーム化粧吸音板が一般的に採用され、グリッドまたはラインの枠組みに合わせてカットし、取り付ける。照明器具や空調吹き出しのない部分の、どの位置でもボードを取り外すことができる。そのため、改修や点検が非常に容易であり、高いメンテナンス性を得られる。
システム天井の天井枠組みには、パーティションを取り付けるための金具や、アイナット・フックを取付けることも可能である。
枠組みモジュールは600mmまたは640mmであり、意匠上のスパン割りを6,400mmまたは7,200mmとすることで、柱間の天井ピッチを一律に揃えることが可能で、整然と天井器具を並べることが可能となる。
システム天井のグリッドやラインに合わせて、天井材にはめ込むように器具を取り付けることになるが、照明器具に一体として吹き出し口、スピーカー、感知器、明るさセンサー等を組み込むことができる。
また照明器具についてはその側面にスリットを設けることで、天井裏に火災時の煙を引き込むことができ、天井チャンバーによる排煙システムを構築することができる。