接地抵抗測定
電位降下法による測定原理
接地抵抗測定は、電気設備が大地と電気的に正しく接続されているかを確認する試験であり、一般的に「電位降下法(3極法)」が用いられる。測定器にはE(Earth:被測定極)、P(Potential:電圧補助極)、C(Current:電流補助極)の3つの端子があり、これらを一直線上に、それぞれ10m程度の間隔を空けて配置する。
測定の原理は、E-C間に交流電流(I)を流し、その際に生じる大地への電流拡散によって発生するE-P間の電位差(V)を読み取ることで、オームの法則(R=V/I)に基づき接地抵抗値を算出するものである。
P極は、E極付近の急激な電位上昇域と、C極付近の電位下降域の影響を受けない「平坦な電位分布域」に設置する必要があるため、一直線上の配置と十分な離隔距離が求められる。
交流電源と周波数の選定理由
接地抵抗計の測定電源には、直流ではなく交流が用いられる。これは、土壌中の水分には電解質が含まれており、直流電圧を印加すると電気分解(分極作用)が発生し、測定電極の表面に水素ガス等の被膜が形成されて接触抵抗が増大し、正確な測定ができなくなるためである。
また、商用周波数(50Hz/60Hz)と同じ周波数を用いると、地中を流れる迷走電流や商用電源からの誘導ノイズと干渉し、測定値に大きな誤差が生じる。そのため、測定器内部では商用周波数と異なる特定の周波数(数100Hz~数kHz程度)の交流信号を生成して測定を行っている。
舗装面での補助接地網活用
都市部の現場では、周囲がコンクリートやアスファルトで舗装されており、補助接地棒を地中に打ち込めないケースが多い。このような場合は、「補助接地網」と呼ばれる金属製の網を舗装面上に敷き、その上に補助接地極を接触させて使用する。
ただし、乾燥したコンクリートは絶縁体に近いため、そのままでは電流が流れない。接地網の上から十分に水を撒き、コンクリートの微細な空隙に水分を浸透させることで導電性を確保する必要がある。
アスファルトは絶縁体であるため、この方法は適用できない場合が多く、側溝の蓋やガードレールの支柱など、大地と導通のある既存金属体を探して補助極として利用する工夫が求められる。
季節変動と土壌特性
接地抵抗値は、土壌の種類や水分含有量、温度によって大きく変動する。一般に、水分を多く含む粘土質や腐葉土は抵抗値が低く、砂地や岩盤は高い。また、季節による変動も顕著であり、降雨が多く地下水位が上昇する梅雨や夏季は抵抗値が低くなり、土壌が乾燥し、場合によっては凍結する冬季は抵抗値が上昇する傾向にある。
接地の種類や、法的に求められる接地抵抗値、接地技術の詳細については接地工事の種類と接地抵抗を参照。












