電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 絶縁抵抗試験
電線や電気機器にどれだけの絶縁性能を維持しているかを確認する試験のひとつで、絶縁性能が高いほど電路が健全であることから、その数値を定期的に確認する必要がある。電気配線や電気機器の絶縁状態は、大地や、接触のおそれがある人体に電気が流れてしまわないよう、高い数値で維持しなければならない。
電路は常に絶縁状態を維持しなけれはならず、絶縁が破壊された状態は「地絡」と呼ばれる。一般には「漏電」とも呼ばれる状態であり、電気回路が大地に接続されることで、本来の電気の通り道である電気回路の構成が崩れ、流れてはならない場所に電流が流れることにより、感電や発熱、出火などにつながる危険な状態となってしまう。
地絡事故を防止するため、定期的に絶縁抵抗試験を行うことで電路の健全性を確認する必要がある。絶縁抵抗試験は主に、弱電回路や低圧電路、高圧電路の絶縁性能が劣化していないか、電気回路に所定の電圧を印加して、大地に電流が流れ込まないかを確認する。
絶縁性能を確認するために電流を流した際、電路に漏れ電流が発生している場合は抵抗値が著しく低くなるため、その数値を読むことで数値を記録する。
高圧電路は絶縁抵抗試験のほか、絶縁耐力試験を行って高圧電路が絶縁破壊しないかを確認する試験も行われる。高圧電路は低圧電路と違い、絶縁抵抗値のみで健全性を確認するのでは不十分であり、通常時印加される電圧よりも高い電圧を一定時間印加することで、電路が絶縁破壊しないかを確認することで健全性を確認している。
電線等に異常がある場合、電圧印加時に電流値がふらついたり、突然数値が跳ね上がるようなグラフが計測されることがあり、このような状態になっている場合は早急に電線を交換しなければならない。
絶縁抵抗試験に規定されている電圧や測定方法については絶縁抵抗の基準と絶縁破壊・絶縁監視装置を参照。
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