責任分界点
責任分界点の概要と重要性
責任分界点とは、電力会社や通信会社などの供給事業者から、敷地内にインフラを引き込む際に設定される、保安上の責任範囲を明確にする境界点のことである。
この点を境にして、電源側は電力会社の管理範囲、負荷側は需要家の管理範囲と区分される。万が一、電気事故が発生した場合、この分界点よりも建物側で起きた事故であれば需要家の責任となり、電線路側であれば電力会社の責任となるため、設備の維持管理や法的な責任所在を決定づける重要なポイントとなる。
架空引込における責任分界点(PAS)
電力会社から架空電線によって電気の供給を受ける場合、敷地内に1号柱と呼ばれる電柱を建て、その最上部に区分開閉器として気中開閉器を設置するのが一般的である。現場ではPASと呼ばれるこの高圧開閉器が、責任分界点の役割を担う。
具体的な境界位置は、PAS本体に設けられている高圧絶縁電線、いわゆる口出線と、電力会社側の引込線との接続点と定められることが多い。PAS本体は需要家が資産として購入し設置するものであるが、口出線の接続工事は電力会社自身が行う。したがって、電力側の接続部で絶縁不良などのトラブルが発生した場合は、施工を行った電力会社の責任範囲として扱われる。
地中引込における責任分界点(UGS)
都市部などで電線類を地中から引き込む場合は、敷地の地表面に高圧キャビネットを設置し、その内部で受電する方式が採られる。この場合、キャビネット内部に収納される地中線用の高圧ガス開閉器(UGS)や地中線用気中開閉器(UAS)が責任分界点となる。
地中引込では、道路を通る配電線から需要家の高圧キャビネットまで、電力会社のケーブルが地下を通って引き込まれる。そのため、キャビネット内の開閉器の一次側端子、つまり電源側の接続部を分界点とし、それ以降の二次側配線や開閉器本体の管理責任は需要家が負う形となる。
財産分界点との違い
一般的には、保安上の責任分界点と、設備の所有権が変わる財産分界点は同じ位置に設定されることが多い。しかし、契約形態や設備の状況によっては、これらが異なる場所になることもある。
例えば、広大な敷地を持つ工場などで、電力会社のメーター(取引用計器)と開閉器の位置が離れている場合や、借室電気室方式を採用している場合などでは、保安上の管理責任が切り替わる点と、設備の持ち主が切り替わる点がずれるケースがあるため、工事区分や保守契約の際には注意が必要である。
電力の引込口に関する設備計画の詳細については引込口施設の計画を参照。












