電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 漏電リレー
2024.2.29
回路に漏電が発生したことを検出して、警報表示を行うための信号装置のひとつ。漏電遮断器(ELB)と違い回路を遮断する機能を持っておらず、漏電を取り除くことはできない。零相変流器で漏電を検出し、信号を送る事が可能である。
配線や電気機器の劣化、損傷などにより絶縁不良が系統全体に発生することで、水回りの機器でなくても地絡に進行することは少なくない。電灯分電盤の主幹など、主幹ブレーカーを漏電遮断器でトリップさせるのは避けたいが、漏電は検出したいといった用途の場合に、漏電警報のみ表示させるという方法を検討すると良い。
漏電リレーの信号を用いて、配線用遮断器や電磁接触器を動作させるよう計画すれば、漏電遮断器を設置せずとも、地絡した電路を遮断することが可能である。漏電発生後にタイマーを用いて指定時間後に遮断させたり、漏電が発生している間のみ警報表示を行うなど、回路設計の柔軟性を高めることができる。
キュービクルの計画では、設定ツマミや警報ブザーなどを全て一体化した「漏電火災警報器」と呼ばれる消防認定品を設けることが多い。漏電火災警報器は本来、ラスモルタル構造の防火対象物などに取り付ける消防設備のひとつであるが、本体に警報表示やブザーが設けられているためキュービクルの保安用に設ける事例も多い。漏電火災警報器は総務大臣に届出が行われており、適合表示を取得しているため、ブザーを停止したり改造を施すことはできない。
サイト内検索