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ローチャンネル

UHF帯におけるローチャンネルの定義と周波数帯域

地上デジタル放送のチャンネル区分において、UHF帯の「13〜36ch」の範囲をローチャンネルと呼ぶ。日本国内の地上デジタル放送は、おおむねこのローチャンネル帯域に主要な放送局が割り当てられている。

かつてのアナログ放送時代にはUHF帯として13〜62chが使用されていたが、周波数帯域の有効活用を図るための再編(700MHz帯の携帯電話通信網への移行)に伴い、現在のテレビ放送は13〜52ch(周波数470MHz〜710MHz)に集約されている。このうち、低い周波数帯域である470MHz〜614MHz付近を担うのがローチャンネルである。

受信アンテナの帯域別分類

テレビ電波を受信するUHFアンテナには、対象とするチャンネル帯域に応じて複数の種類が存在する。

  • ローチャンネルアンテナ:13〜36ch(製品によっては13〜44ch)の受信に特化した設計のアンテナである。
  • オールチャンネルアンテナ:現在使用されている13〜52chの全帯域をカバーするアンテナである。
  • ハイチャンネルアンテナ:ローチャンネルより上の帯域(中・高域チャンネル)の受信に特化したアンテナである。

素子長と受信利得の物理的関係

アンテナが電波を効率よく捉えるための素子(導体エレメント)の長さや間隔は、受信する電波の波長に比例して設計される。ローチャンネル帯域の電波はハイチャンネル帯域と比較して周波数が低く、波長が長い。

オールチャンネルアンテナは、短い波長から長い波長まで幅広い帯域の電波を受信するため、素子の長さや配置に妥協点を持たせた設計となっている。一方、ローチャンネルアンテナは、13〜36chの波長に適合するよう素子長が最適化されている。これにより、同素子数のオールチャンネルアンテナと比較して、対象帯域内において3〜4dBの受信利得(ゲイン)向上を得ることが可能となる。

指向性の向上とノイズ耐性

帯域を限定して最適化されたアンテナは、単に利得が高まるだけでなく、電波を受信する指向性が鋭くなるという電気的特性を持つ。指向性が鋭くなると、アンテナを向けた送信局の方向以外の角度から飛来する不要な反射波(マルチパス)やノイズ成分を拾いにくくなる。

デジタル放送において安定した受像品質を保つには、信号の強さだけでなく、ノイズに対する信号の比率(C/N比)を高く保つことが重要となる。ローチャンネル帯域の電波のみを受信する環境であれば、ローチャンネル専用アンテナを用いることで、ブースター(増幅器)に頼ることなくアンテナそのものの能力で信号品質を改善できる。

建築設備における選定基準と運用形態

国内の多くの地域では主要局がローチャンネル帯域に割り当てられているが、一部の地域や独立放送局、中継局などではハイチャンネル帯域が使用されている。ローチャンネル専用アンテナは、設計帯域外の周波数に対する感度が低いため、ハイチャンネル帯域の電波は大きく減衰してしまい正常に受像できない。

集合住宅やビルの共同受信用アンテナ(共聴設備)を設計する場合、将来的なチャンネル変更や、入居者による広域放送の受信ニーズに対応するため、全帯域をカバーするオールチャンネルアンテナを選定するのが標準的なセオリーである。一方で、戸建住宅などで受信する電波の送信局とチャンネルが完全に確定しており、それがすべてローチャンネル帯域に収まる弱電界地域においては、ローチャンネルアンテナを選定することも可能ではあるが、オールチャンネルアンテナの採用が基本である。

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