リモコンスイッチ
リモコンスイッチは、離れた場所から機器のオンオフや調光などの操作を行うための装置である。主に照明設備で利用されるが、天井扇やシロッコファンといった小型の単相ファンをタイマー運転させるといったスケジュール制御にも用いられる。リモコンスイッチから与えられた信号で、分電盤に搭載されたリモコンリレーを用いて回路をオンオフできる。
分電盤内や天井裏にリモコンスイッチなどからの信号を受けて動作するリモコンリレーを設置する。トリガーはスイッチだけでなく、中央監視装置やタイマーといった外部信号を受けても駆動できる。
有線によるリモコンスイッチを用いたシステムは、従来の強電配線による物理的なスイッチングとは異なり、操作部と制御部の間を2線式の信号線(通常は直流24V程度の弱電流)で結び、微弱信号で回路のオンオフを制御する。
従来のスイッチ配線では、各スイッチと負荷ごとに複数の強電線が必要で、片切スイッチや3路スイッチを用いて回路構成を組み立てていたが、有線リモコンシステムでは、すべてのスイッチを共通の少数信号線で配線できる。これにより、配線材料費と労務費を大幅に削減し、施工効率を向上させる。
配線系統がシンプルであるため、レイアウト変更や照明ゾーンの再設定、スイッチの増設を容易に行えるというメリットがある。システムによっては、アドレス設定や簡単な結線変更により、どのスイッチがどのリレーを操作するかを柔軟に変更できる。より高度なビル管理システム(BMS)と連携させることで、建物全体の照明を一元管理できる。タイムスケジュール制御、人感センサー連動、照度制御など、高度な自動化・省エネ制御も実現可能である。
主要な構成要素と仕組みは以下の通りである。
- リモコンスイッチ:壁面に設置される押しボタン式のスイッチ。押下によりグループに対応した固有信号が信号線を通じて送信される
- リモコンリレー:照明器具などの負荷を接続し、スイッチ信号を受け取り、内部の主接点を開閉することで回路を物理的にオンオフする
- ターミナルユニット:複数のスイッチやリレー、制御電源などを接続し管理するための集約装置
- 制御電源装置:スイッチ操作のための直流24Vといった低電圧電源を供給する装置
複数のリモコンリレーを同時に動作させるグループ制御なども可能なため、セキュリティシステムを同時に組み込み、最終退出口などで一斉に照明を切るといった使い方も可能となる。リモコンリレーの詳細についてはリモコンリレーの原理と仕組みを参照。












