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励磁突入電流

変圧器を投入した瞬間や、瞬時電圧低下、瞬時停電など、無励磁状態の変圧器に電圧印加した瞬間に発生する過渡的な励磁電流。

変圧器の種類、容量、印加する電圧、接続負荷の状況など多くの要素で変動するが、一般的に「定格電流の10倍以上」の大電流が流れるとされ、過渡的な脈動をもって減衰し定常状態に落ち着く。

励磁突入電流の継続時間は1サイクル程度であるが、定常状態までは数秒を要する。事故電流と同様に大きな電流となるため、過電流継電器(OCR)の整定やヒューズの選定においては、励磁突入電流によってOCRが動作したり、限流ヒューズが溶断しないよう保護協調を図る必要がある。

励磁突入電流には第2高調波が多く含まれていることから、ファジィ推論分析により、短絡による高調波成分と励磁突入電流による高調波成分の比較を行い、事故電流と励磁突入電流を判別するという技術が確立しており、これで不要動作を避けるという製品も販売されている。

しかし、保護協調曲線が交差しないよう整定するのが設計の基本であり、確実な動作を求めるには「曲線が交差しないよう計画する」というのが原則である。

保護協調の考え方については過電流継電器・地絡継電器・地絡方向継電器の保護協調を参照。

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