ラジアスクランプ
鋼製アウトレットボックスと電線管との接地を確保するために使用する接地金具。電線管(金属管)とアウトレットボックスなどの間で電気的な連続性を確保し、確実に接地(アース)をとるために用いられる部材である。
電気設備には、万が一の漏電時に感電や火災を防ぐため、金属製の筐体や管路を大地と同電位にする「接地」が義務付けられており、金属管工事において、管とボックスの間が電気的に十分に接続されていない場合、その間を「ボンド線(アース線)」で接続することで接地の連続性が確保される。この際、電線管側にボンド線を確実に固定するための金具がラジアスクランプである。
ラジアスクランプと金属管が広い面積で接続されるため、品質の良いD種接地工事が可能となる。ラジアスクランプの本体は、伝導性を高めるための「無酸素銅」が使用されている。これは経年劣化に強く、電線管の表面塗装を剥がさずとも、クランプを巻き付けてペンチ等で締め付けるだけで、強固な電気的接続が可能となる。
ラジアスクランプはウォーターポンププライヤーで容易に湾曲する薄い銅板であり、ラジアスクランプの内側に接地線を挟んで巻き付ける。巻き付けた後、両端を指で寄せると固定されるため、噛みあわせた上からプライヤーで電線管との隙間がなくなるように強く挟む。ボンド線の端をペンチ等で折り返し、2重または3重にして厚みを作る。これにより、クランプ内で線が滑るのを防ぐ。
クランプの中央にある膨らんだ部分にボンド線をあてがい、管に巻き付ける。このとき、隙間ができないよう指先や工具で密着させる。固定後のラジアスクランプ端部は、電線管に締め付けられる方向に倒して固定すると良いが、強く叩いて倒すと接地線が外れるおそれがあるため注意を要する。
ラジアスクランプの端部にある突起により、完全に硬化する前の塗装程度であれば、貫通して電気的な接続ができる。とはいえ硬化してしまった塗装では貫通できないことも考えられるため、ラジアスクランプを取付ける場合、塗装前または完全硬化前に施工するのが良い。
ラジアスクランプに接続できる電線は、1.6mm、2.0mmといった単線のほか、5.5sq~38sqといった太めのより線も接続可能である。なお、ラジアスクランプはケーブルのシールド接地に用いることができる製品もあり、遮へい層の外径にあわせて接続することが可能である。
アウトレットボックスの仕様や施工方法の詳細についてはアウトレットボックスを参照。












