電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 目次 ら > ラピッドスタート形蛍光灯
ラピッドスタート形蛍光灯は、加熱と高電圧によって短時間で点灯させる始動方式である。従来のグローランプを使用せず、予熱巻線付き磁気漏れ変圧器形安定器を用いることで、効率的な点灯が可能となっている。
この始動方式の大きな特徴は、グローランプを必要とせず高速な点灯を実現していることである。従来の蛍光灯にはグローランプが必要であり、点灯までに時間を要するという欠点があった。しかし、ラピッドスタート形蛍光灯は、予熱巻線付き磁気漏れ変圧器形安定器を使用することで、グローランプ不要で効率的な点灯を実現している。
しかし、ラピッドスタート形蛍光灯には欠点もあり、エネルギー効率が低いことがその一つである。始動時に大量の電力が必要であり、ランプの点灯に多くのエネルギーを消費するため、効率が低くなっている。
また、安定器が重いことも欠点として挙げられる。従来の蛍光灯には、軽量でコンパクトな安定器が使用されていたが、ラピッドスタート形蛍光灯では、磁気漏れ変圧器形安定器が必要であるため、重くなっている。
現在では、Hf蛍光灯への置き換えが進んでいる。Hf蛍光灯は高周波駆動により始動し、エネルギー効率が高いため、省エネルギー化に貢献している。最近ではLED光源による器具も普及しており、Hf蛍光灯の多くが取替え対象となっている。LED光源は、従来の蛍光灯やHf蛍光灯よりも省エネルギーであり、かつ長寿命であるため、省エネルギーへの貢献やランニングコスト削減にもつながっている。
他の蛍光灯については蛍光灯の種類・仕組みを参照。