電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 遅れ電流
誘導性交流回路において、電圧よりも位相が遅れた電流。コイル成分に正弦波交流電圧を印加すると、電流の位相は電圧に対して遅れ位相となる。
白熱電球や電熱器を除き、電動機などの電気機器はコイル成分を主体としており、負荷が多いほど遅れ電流が増加していく。電流が遅れるほど無効電力が大きくなり、皮相電力が拡大するため発電設備、変電設備の容量を大きくしなければ供給を安定させられない。
電流が遅れている状態は力率が悪化している状態と捉えられ、進相コンデンサを用いて電流を進ませることで力率を改善できる。力率の改善により、電力会社は発電設備や変電設備の有効活用が可能となるため、需要家に対して力率改善を求めている。
高い力率で運用をする需要家に対して基本料金を割引するといった利益を与えることで、需要家側での力率改善を促し、設備の効率化を図っている。
進み力率、遅れ力率と力率改善については力率改善と進相コンデンサ容量計算を参照。
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