ネトロンアミ
ネトロンアミは、はしご形ケーブルラックの底面や側面に敷設される、ポリエチレンなどの合成樹脂を網目状(メッシュ状)に成形した保護シートである。「ネトロン」は元来、高密度ポリエチレンを押し出し成形したプラスチックネットの名称であるが、電気設備工事の分野においては、ネグロス電工などの配管支持金具メーカーを通じて、ケーブルラック用のメッシュマットとして広く流通し定着している。
主に、ラック内に敷設された多数の電力ケーブルを下方向からの視線から隠蔽し、見栄えを向上させる目的や、小動物の侵入防止、ケーブルの垂れ下がりを物理的に保護する役割を担う。
はしご形ラックにおける視線遮蔽と意匠性の向上
商業施設の駐車場、店舗のスケルトン天井、あるいは工場内の共用通路など、はしご形ケーブルラックが下部から直接見えがかりとなる場所においては、ラックの親桁の間に敷設されたケーブルが雑然と露出してしまう。これが空間全体の美観を損なう原因となる。
ラックの底面にネトロンアミを敷設することで、メッシュの細かい網目が視線を適度に遮り、ケーブルの色彩や配線の乱れを隠蔽できる。黒色やグレーなど、空間の天井色に合わせたカラーバリエーションの製品を選定することで、意匠性とケーブル保護の両立を図ることが可能である。
鳥獣害対策および落下物防止としての機能
屋外の軒下やピロティにラックを敷設する場合、はしご形ラックの隙間からハトやカラスなどの鳥類、あるいはネズミなどの小動物が侵入し、ラック内部に営巣したりケーブルの絶縁被覆をかじったりする被害が発生することがある。
ラックの底面および必要に応じて上部にもネトロンアミを取り付けることで、通気性を保ったままこれらの生物の物理的な侵入経路を遮断できる。
施工方法と耐候性仕様の選定
ネトロンアミは合成樹脂製であり非常に軽量かつ柔軟であるため、現場での取り回しが容易である。金切鋏や専用のニッパーを用いて、配線の立ち上がり箇所や障害物に合わせて自由なサイズや形状に切断加工できる。
- 固定方法:ラックの親桁および子桁(親桁を繋ぐ桟)に対して、耐候性のナイロン製結束バンド(インシュロックなど)を用いて一定間隔で強固に結束する。
- 支持間隔:敷設後の自重やケーブルの重みによるたるみを防ぐため、製品ごとに定められた固定ピッチ(一般に200mmから300mm程度)を守り、波打ちが発生しないように張力をかけて施工する。
- 耐候性の確保:屋外で使用する場合、紫外線による樹脂の硬化や脆化(劣化)を防ぐため、カーボンブラックなどが添加された耐候性仕様(屋外仕様)の製品を選定する。
防火区画と延焼防止上の留意点
ネトロンアミは合成樹脂であるため、火災時には燃焼するおそれがある。建築基準法や消防法に基づく防火区画の貫通部付近や、高い難燃性が要求されるプラントの重要設備においては、樹脂製のメッシュではなく、金属製のパンチングメタルや不燃性の金属カバーを選定しなければならないケースがある。特に、防火区画貫通処理部で、ネトロンアミを巻き込んで処理しないように注意を要する。
設置場所の防火上の要求性能と照らし合わせ、適切な保護部材を使い分けることが重要となる。
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