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ナトリウム硫黄電池(NAS電池)

プラス電極に硫黄、マイナス電極にナトリウムを使用した電池。充放電率が90%以上の高効率電池であり、鉛蓄電池よりも大きな電力をコンパクトサイズで蓄電できる。

夜間電力で充電し、重負荷が発生する時間帯に放電することで負荷のピークシフトが可能となる。「NAS電池」という名称で普及しており、東京電力と日本ガイシによって開発・実用化され、広く普及した。数千キロワットを超える「メガワット級」のピークシフトが可能であり、再生可能エネルギーの安定化や、停電など非常時の保安電源として活用可能である。

大規模建築物や、公共施設への導入も進んでおり、ピークシフト用または保安電源用蓄電池としての活用が期待されている。消火ポンプや排煙機といった防災設備への電源供給は「日本消防設備安全センター」の認定を受けた設備のみ使用可能である。

ナトリウムは第三類危険物のため、NAS電池の設置場所は一般危険物取扱所に該当する。指定数量10倍超過により、専用の避雷設備による保護が求められる。3m以上の保有空地の確保など、危険物取扱所に必要な法規を満足する設置を行う。

NAS電池は300℃という高温で動作する蓄電池であり、火災時の消火が困難なため、火災事故発生時の安全強化の対策が進められている。NAS電池は禁水の化学物質であり、水をかけると水素と熱を発生する爆発につながるため大変危険である。

万が一火災事故が発生した場合、NAS電池は水や強化液を掛けると爆発するためこれら水系の消火は不可能であり、出火している電池本体に砂を充填し、窒息消火を行うのが通常である。砂の搬入と投入には、時間と労力を要する。

NAS電池の課題と対策(他県で発生した火災をうけて)という論文が消防庁より発表されており、NAS電池を安全に使用するには、消火用の砂の確保や、搬入経路の確保などが重要だと述べられている。

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