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コンドルファ始動

電動機の始動電流を低減させるための始動方式のひとつで、電動機一次側(モータと電源の間)に単巻変圧器を挿入し、減圧された電圧をモータに印加して始動する方式である。始動電流を低減させる効果は極めて高く、直入れの4割程度まで低減可能である。

11kW~75kWといった電動機ではスターデルタ始動器を選定するのがコスト面で有利だが、スプリンクラーポンプなど100kWを超える大型モーターを始動させるためには、非常用発電機への負担を低減させるため、コンドルファ始動器や特殊コンドルファ始動器といった指導方式が採用される。

発電機や変圧器の電源容量が小さく、スターデルタ始動などではモーターを始動させられないといった場合には、このような始動器を適切に組み合わせることで発電装置や変電装置の過剰な設備投資を低減可能である。

コンドルファ始動機を用いる場合、電圧を低下させた状態での始動となるため、一定速度以上まで回転速度を上げることが困難である。これを解決するために、継電器を組み合わせて抵抗回路を切り離していくことで加速させなければならない。まず変圧器をリアクトルとして活用し、最後に全ての抵抗回路を切り離すことで、全電圧に切り替え定格運転とする。スターデルタ始動よりも柔軟な電圧調整が可能なため、始動特性が良く、切替時のショックも小さい。

リアクトル始動や一次抵抗始動方式よりもトルク増加がやや小さいが、始動電流を小さく抑えられるため、大型のポンプやブロワに採用されることが多い。大型電動機であっても、円滑な加速が可能となる。

100kWを超えるような大型電動機の始動装置として普及しているが、全電圧始動やスターデルタ始動と比べ、付属機器が多いため高価な設備となる。始動機を収容した電源盤を設置するため、機械室が大きくなるというデメリットもある。

電動機の各種始動方式の特徴と違いについては電動機の始動方式と始動電流を参照。

 
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