公衆街路灯契約
公共の安全を守るための特別電力メニュー
公衆街路灯契約は、電力会社が提供する電気供給約款の一つであり、道路、橋梁、公園、神社の境内など、不特定多数の公衆が自由に出入り・通行する場所の照明や、小型の交通信号機などを対象とした契約種別である。
この契約の特徴は、一般的な「従量電灯」や「低圧電力」とは異なり、設置する機器の総容量(W数またはVA数)に基づいて料金が決定される点にある。主に自治体(市町村)や町内会(自治会)が契約者となるケースが大半だが、私道や私有地であっても「公衆の通行に供されている」と認められれば、個人や管理組合名義でも契約が可能である。
「A」と「B」の契約区分と選定基準
公衆街路灯契約には、設備規模に応じて主に2つの区分が存在する。
公衆街路灯A(定額制)は、総容量が1kVA未満の小規模な設備に適用される。電力量計を設置せず、接続されている照明器具の入力容量と点灯時間(「夜間点灯」か「24時間点灯」かを区分)に基づいて、毎月一定の金額が請求される。メーター検針が不要なため、基本料金が非常に安価に設定されているのが特徴である。
公衆街路灯B(従量制)は、総容量が1kVAを超える場合や、使用電力量が変動する設備に適用される。こちらは電力量計を設置し、基本料金+使用電力量に応じた従量料金を支払う仕組みであり、大規模な公園照明や、コンセントを伴う公衆トイレなどで採用される。
LED化による劇的なコスト削減
公衆街路灯Aの料金単価は、照明器具の入力容量(W数)によって段階的に設定されている(例:10Wまで、20Wまで、40Wまで、以降100Wごとに加算)。かつて主流であった水銀灯や蛍光灯は消費電力が大きく、電気料金が高額になりがちであった。
しかし、近年のLED防犯灯は、従来の水銀灯と比較して消費電力が約1/5〜1/10程度まで削減されている。例えば、100Wの水銀灯(入力容量約110VA)を、同等の明るさを持つ10VAクラスのLED灯具に交換した場合、契約区分が「100W超」から「20W以下」のランクへ劇的に下がるため、電気料金を大幅に削減することが可能となる。
自動点滅器の設置と契約条件
公衆街路灯A契約において、安価な「夜間のみ点灯」の区分を適用するためには、日照に応じて自動的に電源を入切する自動点滅器(EEスイッチ)の設置が求められる。これが設置されていない、あるいは故障して昼間も点灯している状態では「24時間点灯」とみなされ、料金が倍近くに跳ね上がるため注意が必要である。
また、看板照明や庭園灯など、専ら特定の個人や企業の利益(広告宣伝や私的観賞)を目的とした照明は、公衆街路灯契約の対象外となる。あくまで「防犯・交通安全」という公益性が認められることが条件である。
防犯灯の種類、設置基準の詳細については防犯灯の設置基準を参照。












