均斉度
均斉度(きんせいど)とは、照明設計や視環境の評価において、「明るさの分布がどれだけ均一であるか」を示す指標である。照度計算において重要視される指標のひとつで、壁側1mを除いた場所の最低照度と最高照度の比率を示したものであり、日常生活や労働環境において、単に「明るい」こと以上に「明るさにムラがないこと」が快適性や安全性に直結する。
照度分布の均斉程度を示すことで、明るさのムラがないかを数値によって検証できる。明るい部分と暗い部分が発生した空間は、均斉度が低い空間として評価する。
- 最小照度 / 平均照度(総合均斉度):空間全体の明るさの均一性を測る際に用いられる
- 最小照度 / 最大照度(局所均斉度):特定の範囲内での極端な明暗差を評価する際に用いられる
上記のいずれも、「均斉度は1に近いほど照度ムラが少ない」という考え方は同じである。均斉度が1に近いほど、その空間は均一に照明が行われていることを示す。直管形やスクエア型の照明器具では均斉度が高くなり、スポットライトなど局所照明を多用すると均斉度は低くなる傾向にある。
均斉度を向上させるには、単に照明器具を増やすだけでなく、光の質と反射材の配置を工夫する必要がある。壁紙や床に反射率が低い素材を多用している場合、空間全体の輝度バランスが崩れてしまい、かつ反射が少ない素材からの回り込みも期待できないため、均斉度が悪化することを考慮に入れるべきである。
- 広範囲に光を広げる「広配光型」の器具を選択する
- 器具同士の間隔(スパン)を適切に保ち、光が重なり合うように配置する
- 壁面や天井を照らすことで、空間全体の輝度バランスを整える
- 壁や床の色を明るくし、光を反射させることで、暗部への光の回り込みを助ける
視覚疲労の軽減
照明が不均一であると、人間の視覚には多大な負荷がかかる。これには生理的・心理的な要因が深く関わっている。人間の目は、周囲の明るさに合わせて瞳孔の大きさを調節する。視野の中に極端に明るい部分と暗い部分が混在していると、視線を動かすたびに瞳孔の開閉が繰り返され、眼筋が疲弊する。これが眼精疲労や頭痛、集中力の低下を招く原因となる。
安全性と快適性の確保
工場の作業場や夜間の道路において、均斉度が低いと事故につながるおそれがある。暗い部分(ダークスポット)に置かれた障害物や、段差に気づくのが遅れるといった要因になる。均一な光は、死角を減らし、移動や作業の安全性を高める役割を果たす。
明るさのムラは、空間に対して「落ち着かない」「不気味だ」といったネガティブな印象を与えることがある。特に公共施設や商業施設では、適切な均斉度を保つことで、利用者に安心感と清潔感を与えることが可能となる。
均斉度確保の目安
執務空間における照明設計では、計算対象室の均斉度を0.33以上とし、かつ全般照明で均斉度を0.6以上確保すると、大きなムラの発生していない空間となり望ましいとされる。作業を行う机上で明るさに差があると、目の疲れを誘発し作業性が悪化するため、できる限り均斉度を高めた計画とすることが望まれる。
自然光を含む計画の場合、明るい部分と暗い部分に大きく差が生まれるが、均斉度が0.1を下回らないよう、窓の配置と人工照明を計画するのが良いとされている。
スポーツ施設などでは、競技の種類やレベルによるが、高速で動くボールを追う野球やテニスなどでは、0.7以上という極めて高い均斉度が要求される。
照明設計や計画の詳細については照明設計の基礎知識と設計手法を参照。












