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逆電力継電器

逆電力継電器の概要と役割

逆電力継電器(Reverse Power Relay)とは、電力の流れる方向を監視し、通常とは逆方向の電力、つまり逆潮流を検出した際に動作する保護継電器のことである。図面や仕様書では略称としてRPRと表記されるほか、日本電機工業会(JEM)の器具番号では32番が割り当てられている。

通常の受電設備では、電力会社から需要家に向かって電力が供給される。しかし、需要家構内に発電設備がある場合、発電量が消費量を上回ると、余剰電力が電力会社の配電線側へ流れ出す現象が発生する。これを逆潮流と呼ぶ。逆電力継電器はこの逆潮流を瞬時に検知し、接点信号を出力する機能を担う。

電力受給契約と設置の要否

逆電力継電器の設置が必要か否かは、電力会社との電力受給契約形態によって決定される。

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー設備を系統連系する場合、「逆潮流あり」と「逆潮流なし」の2種類の契約形態がある。固定価格買取制度(FIT)などを利用して発電した電力を電力会社に売電する場合は「逆潮流あり」となるため、そもそも逆方向へ電気が流れることが前提であり、逆電力継電器の設置は不要となる。

一方、発電した電力をすべて自社設備で消費し、売電を行わない完全自家消費型の場合は「逆潮流なし」として契約を行う。この場合、わずかでも電力会社側へ電気が流れることは契約違反となるだけでなく、配電線の電圧上昇や保守作業員の安全に関わるため、逆電力継電器を設置して逆潮流を物理的に阻止する措置が求められる。

動作原理と保護シーケンス

逆電力継電器は、計器用変成器(VT)と変流器(CT)からの信号を入力とし、電圧と電流の位相差から電力の方向を判別している。

需要家構内の消費電力が減少し、発電設備の出力が上回って逆潮流が発生し始めると、RPRがこれを検出して遮断指令を出す。一般的な運用では、施設全体を停電させてしまう受電用遮断器(VCB)を開放するのではなく、発電設備の連系用遮断器やパワーコンディショナ(PCS)の出力を制限したり、電磁接触器(MC)を開放して電路を遮断するといった回路構成が採られる。これにより、商用電力による負荷への電力供給は維持しつつ、逆潮流の原因となっている発電のみを停止させることが可能となる。

整定値と時限設定

逆潮流なしの契約においては、原理上「逆潮流ゼロ」を超えた瞬間に遮断する必要があるが、実際には発電出力の急変や構内負荷の変動により、一瞬だけ微少な逆電力が流れることがある。

これら全てに反応して発電を停止させると運用に支障が出るため、実際の整定にあたっては、定格電力の数パーセント程度の動作値(感度)と、数秒程度の動作時限(タイマー)を設定し、不要な動作を防止しつつ確実な保護を行う調整がなされる。

構内発電設備の系統連系の仕組み、逆潮流の詳細については系統連系・逆潮流を参照。

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