電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 気中開閉器
電路遮断を気中で行う遮断器。一般的に「気中開閉器」という場合、電力会社から電力を引き込む責任分界点において、その区分となる開閉器を指すことが多いが、バスダクトなど大電流を遮断するための開閉器として、配電盤に設けられる遮断器としても使用されている。
通常、責任分界点で用いる高圧気中開閉器は「PAS」を示し、低圧気中開閉器は「ACB」を表現する。開閉時にはアークが発生し、電流の流れを継続しようとするが、これを油や真空中ではなく空気中で引き伸ばし、消弧室で冷却して開閉を行う。
高圧気中開閉器で事故が発生した場合、その上位の電気系統は電力会社が管理する配電線となるため波及事故につながる。波及事故防止のため、PAS本体の多くはステンレスで作るなど、高耐力かつ耐重塩じん仕様となっている。さらに避雷器や地絡方向継電器を併設することで、他の需要家からの事故や、落雷によるサージからの保護を実現している。
PASにはSOG装置を設けるのが基本であり、これには電源が必要である。PASは敷地境界に設ける設備であるため、キュービクルなどから離れていることが多く、電源確保が困難な場面が多い。外部からの電源確保が困難な場合、PASにVTを付属させて100V電源を得ることが可能である。
高圧気中開閉器の特徴、保護の詳細については真空遮断器・断路器・気中負荷開閉器を参照。
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