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危険場所

危険場所とは、工場電気設備防爆指針に基づき、可燃性のガスや蒸気が空気と混合して爆発性の雰囲気を形成するおそれがある空間を指す。化学プラント、塗装工場、燃料貯蔵施設などが対象となる。

危険雰囲気の存在する場所において、電気設備の接点火花や表面の異常発熱が点火源(着火源)となることを防ぐため、当該エリアに設置される照明器具、電動機、配線器具から、火災感知器やスピーカーなどの弱電機器に至るまで、すべての電気機器は仕様規定を満たした防爆構造の製品を選定する。

危険場所の等級分類と判定基準

危険場所は、爆発性ガスの存在する頻度と時間によって3つの等級(0種、1種、2種)に分類される。

  • 0種場所(Zone 0)は、爆発性雰囲気が連続して、または長期間存在する場所である。引火性液体の貯蔵タンクの内部や、開放された容器の液面付近などが該当する。電気設備の設置は原則として行わず、液面計のセンサーなど機能上やむを得ない場合に限り設置が許容される。
  • 1種場所(Zone 1)は、通常の状態において爆発性雰囲気をしばしば生成する場所である。タンクの通気管(ベント)の開口部周辺や、日常的な保守・移送作業等でガスが放出される場所が指定される。
  • 2種場所(Zone 2)は、通常の状態では爆発性雰囲気を生成する可能性が低く、生成した場合でも短時間しか持続しない場所である。配管のガスケット破損や設備の故障といった異常時にのみガスが漏出する環境を示す。

等級に応じた防爆構造の選定

各危険場所には、要求される安全性のレベルに応じて適用可能な防爆構造が規定されている。上位の危険場所に適用できる機器は、下位の場所でも使用可能である。

  • 本質安全防爆構造(ia/ib)は、正常時および事故時に発生する電気火花や熱が、爆発性ガスに点火しないよう、回路の電圧と電流を本質的に制限する設計である。このうち「ia」の等級を持つ機器のみが、0種場所に設置可能である。
  • 耐圧防爆構造(d)は、容器の内部で爆発性ガスが爆発した場合でも、容器がその圧力に耐え、かつ外部のガスに引火しないよう隙間の寸法を厳密に管理した頑丈な構造である。1種場所および2種場所で広く採用される。
  • 安全増防爆構造(e)は、正常運転時には火花や異常発熱を生じない機器に対し、電気的・機械的な安全度をさらに高めた構造である。2種場所に限定して採用される。
危険物取扱所となる給油場所

本質安全防爆の役割

0種場所に設置される計測機器などの本質安全防爆システムを構築する際、危険場所にある機器単体だけでなく、非危険場所(安全なコントロール室など)に設置される制御機器との間に「安全保持器」を介在させる配線計画が必須となる。

安全保持器は、非危険場所側の電源回路が短絡や過電圧などの故障を起こした際、その過大な電気エネルギーが配線を伝って危険場所の機器へ流れ込むことを物理的および電気的に遮断する役割を持つ。これにより、危険場所内の回路におけるエネルギーを常に着火限界未満に保つ仕組みが成立する。

防爆エリアにおける電気配線工事とシーリング

危険場所の防爆性能は、電気機器単体だけでなく、接続される配線工事を含めたシステム全体で確保する。配線経路を通じて爆発性ガスが非危険場所へ流入すること、あるいは配線内部で起きた爆発の炎が伝播することを防ぐため、厳密な施工要件が定められている。

金属管工事を行う場合、厚鋼電線管とねじ込み式の防爆型附属品を使用し、管の接続部は規定のねじ山数(通常は5山)以上を噛み合わせて強固に連結する。さらに、防爆機器の接続口や危険場所と非危険場所の境界部分にはシーリングフィッチングを設け、内部に専用のコンパウンド(封止剤)を隙間なく充填して経路を完全に遮断する。

防爆機器の運用保守とライフサイクル

防爆設備は設置後の運用と保守においても法令に基づく管理が要求される。耐圧防爆構造の機器において、カバーを固定するボルトの緩みや接合面の錆、傷などが発生すると、規定された「爆発を封じ込める隙間寸法」が維持できなくなり、防爆性能が喪失する。

したがって、定期的な目視点検や精密点検を通じた劣化状況の把握が行われる。また、防水・防塵用のパッキンの経年劣化による密閉不良を防ぐため、計画的な部品交換が実施される。工場やプラントの安全性を持続させるため、防爆電気設備の設計から施工、保守に至るまで、機能の維持を目的とした一貫した品質管理が実施される。

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