警報盤

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警報盤

設備機器からの故障信号や警報信号を受信し、ランプ表示やブザー鳴動を行う表示盤。警備室や管理室に設け、設備機器の故障警報を表示することで早期発見や修理連絡が可能となる。

警報盤は、外部へ接点信号を取り出す機能を持っており、警備会社や設備業者へ故障信号を移報することで外部委託業者への連絡が可能である。建物全体への給水を行うポンプなど、重要機器の故障が早期発見できるため、管理室や設備要員控室に設けられる。

地下ピットに設ける水中ポンプや、屋上に設ける換気ファンなど、各所に分散している設備機器の故障警報を表示することで、機器異常に対する対応が迅速になるメリットがある。

警報盤は、機器単体のみを監視する「1窓タイプ」から、30窓を超える故障監視ができる大型の製品まで取り揃えられ、5窓仕様、10窓仕様、というように5窓を基準としたラインナップがある。

前扉を開いた警報盤の写真

警報盤で対応可能な建物規模

大規模な施設であれば、中央監視設備で機器の発停や計測、故障警報の監視を行うが、小規模な施設では中央監視設備を設ける事例は少ない。計画では、警報盤を設けて故障警報の監視を行うのがコスト面から合理的である。

一般的に、2,000㎡程度のまでの建物であれば警報盤のみでも監視可能だが、2,000㎡を超える建築物では中央監視設備を設け、故障警報の表示だけでなく、操作や状態表示、計測・計測までを一括して監視する設備を設けると良い。

設計者は単に面積によって選定するのではなく、コストに見合った効果があるかを検討し、施主へ提案するのが望まれる。

自己保持機能による故障の記録

汚水槽や湧水槽の満水・減衰警報は、ポンプが適宜運転することで、時間により解消される。受水槽の渇水も同様に、給水ポンプから水が補給されれば、時間とともに故障状態は回復する。

自動的に故障から回復してしまう用途では、故障の発生に気づかないことや、駆け付けた際に故障が復旧しており、どの故障が発生したのか不明となる。警報盤に「自己保持機能」を搭載し、手動で故障復旧しない限りランプを消灯しないよう計画するのが良い。

なお警報盤は自己保持によるランプ表示までが機能の限界であり、自己記録のログを保存することはできない。警報が発生した場合は紙面などに記録を取り保管するのが基本となるため、警報発生時刻や復旧時刻などを自動的に記録したいのであれば、監視制御装置を採用すべきである。

蓄電池による停電補償

故障の発生は、建物全体の停電を伴うことも多く、警報盤への電源供給が途絶えるおそれがある。警報盤に蓄電池を搭載し、停電に対して補償するのが望ましい。蓄電池は消耗品であり、3~4年ごとに交換しなければならず、メンテナンスコストは増大する。

警報盤を含む、動力機器の設計方法については、動力制御盤の設計と計画を参照。

 
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