カップリング(電線管)
電線管相互を接続するための電線管付属品。電線管の定尺には限りがあるため、長距離の敷設においては配管同士を接続し延長しなければならない。サイズの違う電線管相互や、鋼製電線管と合成樹脂電線管など種類の違う電線管相互を接続する場合にも用いられる。
ねじなし電線管(E管)用の場合、管端にねじを切らずに接続可能なねじなしカップリングを用いる。本体の止めねじを締め付けることで管を固定する構造を持つ。施工管理上の重要管理項目として、止めねじのトルク管理が挙げられる。規定のトルク値に達するとねじの頭部が破断する(トルクオフ)機構が採用されており、目視により締付不足を確認できる仕様となっている。
薄鋼(C管)や厚鋼(G管)電線管では、管端にねじを切り、内面にねじ溝を持つカップリングをねじ込んで接続する方式となる。機械的強度が高く、耐久性が求められる箇所などで採用される。
硬質塩化ビニル電線管(VE管)では、TSカップリング(Taper Sized)が一般的である。管端とカップリング内面にテーパーが設けられており、接着剤を塗布して挿入することで、強固な一体化と止水性を実現する。
寒冷地においては、温度差による管の伸縮を吸収するための「伸縮カップリング」の使用が推奨される。金属管とPF管、あるいはVE管とPF管を接続する際には、コンビネーションカップリングを使用する。それぞれの管種に適合した接続口を持ち、適切な強度と保護性能を維持したまま異種管を変換・接続することが可能である。
接続不良を避けるため、切断した電線管は端部のバリを十分に除去し、確実に挿入深さを確保できるようマーキングを施した上で、カップリングに挿入しなければならない。屋外で使用する場合は、袋ナットと防水パッキンを通した上で挿入し、電線管内部に水が侵入しないように接続する。
電線管の種類と仕様、詳細については電線管の種類と規格を参照。












