電気設備の知識と技術 サイトロゴ

🏠 電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 架橋ポリエチレン電線

架橋ポリエチレン電線

架橋ポリエチレンの概要と分子構造

架橋ポリエチレン(Cross-linked Polyethylene:XLPE)とは、一般的なポリエチレンに化学的な処理を施し、分子構造を変化させることで耐熱性や機械的強度を飛躍的に向上させた絶縁材料である。

通常のポリエチレンは、炭素と水素の鎖状分子で構成されており、電気絶縁性に優れる反面、熱に弱く約90度から100度程度で軟化・溶融して変形してしまう性質(熱可塑性)を持つ。これに対し、架橋ポリエチレンは、分子の鎖と鎖の間に橋を架けるような化学結合(架橋反応)を持たせることで、立体的な網目状構造を形成している。

この構造変化により、ポリエチレンは熱で溶けにくい性質(熱硬化性に近い性質)へと変化し、高温環境下でも形状と絶縁性能を維持することが可能となる。

耐熱性能と許容電流の向上

架橋反応による最大のメリットは、最高許容温度の上昇である。一般的なビニル絶縁電線(IV電線)の最高許容温度が60度であるのに対し、架橋ポリエチレン絶縁電線は90度までの常時使用に耐えることができる。

電線の太さ(導体サイズ)を選定する際、流せる電流の上限である許容電流は絶縁体の耐熱温度に依存する。耐熱性が高い架橋ポリエチレンを採用することで、同じ電流値であればより細いケーブルを選定できるため、幹線ケーブルのサイズダウンや、配管・ラックの省スペース化が可能となる。また、短絡時のような瞬時的な温度上昇に対しても、230度程度まで耐えうる高い熱的強度を有している。

CVケーブルとしての普及

この架橋ポリエチレンを絶縁体に、耐候性のあるビニル(PVC)をシース(外装)に使用したケーブルは、一般的にCVケーブル(Cross-linked Polyethylene Insulated Vinyl Sheathed Cable)と呼ばれ、現代の建築・産業設備における電力幹線の主流となっている。

優れた電気的特性と許容電流の大きさ、さらに軽量で扱いやすいという特徴から、低圧屋内配線から特別高圧送電線に至るまで、極めて幅広い電圧階級と用途で使用されている。

架橋ポリエチレン電源を電力ケーブルとして利用している事例についてはCVケーブル・CVTケーブルを参照。

エアコン室外機
電気の仕組み、発電所から家庭に送られる電気の流れ、直流と交流の違いなどを紹介。
風力発電
新エネルギーとして代表的な太陽光発電、風力発電、燃料電池や、排熱再利用など。
ライティングレールに取り付けられたスポットライト
照明設計の基礎知識、実務における応用、電球の特徴と選定方法などの照明設計。
分電盤の測定写真
電気計算の基礎となる幹線設計やケーブルの選定方法、配線器具の計画、電線管の種類と使い分け。
設備時計
電話、LAN、テレビ共聴、構内通信、電気時計など、弱電設備の設計や計画について。
ボックスに収容されたケーブル
電力ケーブル、通信ケーブル、光ファイバーなど数多く存在するケーブルの特徴を解説。
柱上に取り付けられた変圧器と電線
受変電設備の設計、各種保護装置の選定方法、受変電設備を構成する保護リレーの種類と整定方法など。
誘導標識
非常用照明、誘導灯、自火報、非常用発電機、防災用蓄電池など、災害発生時に使用する防災設備を学ぶ。
机の上に置かれた辞書
電気設備の関連業務を行うにあたり、必要と考えられる各種資格について学ぶ。
自然をイメージした植栽
カーボンニュートラルを達成し、二酸化炭素の排出を削減と吸収の技術について解説。
辞書を見る人
電気設備で使用される機器、材料、技術、指標や単位を解説したオンライン電気設備用語辞典。
計算機を操作する人
電気設備設計で用いられることの多い計算ツールを公開。
プライバシーポリシー
サイトを閲覧するための表示環境、公開情報に対する免責事項、閲覧時のプライバシーポリシーについて。