電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > プルスイッチ(キャノピースイッチ)
ひもを引くことで電路を開閉する手動スイッチ。引きひもを引くことで接点開閉を行う。プルスイッチは壁付けスイッチとして設けることが可能で、VVFケーブルなどを接続して、タンブラスイッチと同じように、電路の開閉が可能なスイッチである。
キャノピースイッチは照明器具の本体に設ける引きひもスイッチで、プルスイッチと違い、壁付けによる施工は不可で、照明器具に直接取り付けるのを基本とする。既存で設置されている「笠なし蛍光灯」や「反射笠付き蛍光灯」に対して、後付けで引きひも対応にしたい場合に用いる。
新設する照明器具や換気扇であれば、メーカーによって販売時点で、本体内部に引きひもを取り付けてしまう一般的であり、キャノピースイッチやプルスイッチを単体で施工する機会は少ない。
プルスイッチとキャノピースイッチの使い分けは曖昧であり、ほとんどが「プルスイッチ」と呼ばれているが、単独施工が可能なスイッチか、照明器具本体でのみ使用可能なスイッチであるか、明確にしなければならない。
引きひもスイッチは、住宅の和室に採用される「ペンダント照明」のオンオフスイッチでの事例が多く、引き紐を引くことで100%点灯、間引き点灯、常夜灯、消灯といった照明の点灯モードを切り替えられる。
濡れた手で照明器具をオンオフしても安全なように、キッチン手元灯に付属している場合もあり、採用事例は幅広い。照明だけでなく換気扇の運転・停止も引きひもスイッチで行う事が多いが、キッチンなど多量の脂分を排出する換気扇の場合、引き紐に油汚れなどが付着するため、定期的な清掃が必要となる。
省エネルギーの観点から、事務所の天井照明に引きひも付きを採用し、業務で使用する空間のみ点灯させるという手法がある。高い省エネルギー効果があるが、照明器具から垂れ下がる引きひもにより、意匠性が悪化するおそれがあるため、採用には注意を要する。
その他スイッチの詳細については電気スイッチ・照明スイッチの種類を参照。
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