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不足電圧継電器

電圧低下に伴う保護と制御の要

不足電圧継電器(Undervoltage Relays)は、電路の電圧を常時監視し、予め設定された値(整定値)以下に電圧が低下した際に動作する保護継電器である。電気設備図面や単線結線図では「UVR」の略称や、JEM1090(制御器具番号)に基づく「27」という番号で表記される。

この継電器の役割は多岐にわたるが、重要な機能の一つは「電動機の焼損防止」である。誘導電動機のトルクは電圧の二乗に比例するため、電圧が低下するとトルクが急激に不足し、回転数が落ちる。これにより滑りが増大して過大な電流が流れ続け、巻線が焼損するおそれがある。UVRはこのような電圧異常を検知し、電磁接触器を開放して電動機を保護する役割を担う。

非常用電源設備との連動

UVRは、単なる機器保護だけでなく、防災設備やBCP(事業継続計画)のトリガーとしても機能する。受変電設備のキュービクル内に設置されたUVRが商用電源の停電(電圧喪失)を検出すると、その信号は非常用発電機の起動盤へと送られ、エンジンの始動指令となる。発電機が確立した電圧は、ATS(自動切替開閉器)を経て防災負荷へ供給される。

また、電灯分電盤に設置されたUVRは、停電時に非常用照明(電源別置型)を点灯させるための制御信号としても利用される。なお、電圧の「低下」ではなく、電圧が印加されたことを検出する継電器は「84(電圧継電器)」として区別される。

動作原理と接点構成

UVRの基本的な動作ロジックは、定格電圧が印加されている正常な状態で接点が「開放」され、電圧が喪失または低下した状態で接点が「閉路(動作)」するという、いわゆる「b接点」的な挙動、あるいは常時励磁式の構成が一般的である。これにより、継電器自体の電源喪失や断線といった内部故障が発生した場合でも、安全側に動作(フェイルセーフ)して警報を発することが可能となる。

構造としては、かつては電圧コイルと渦電流によって円盤を回転させる「誘導円盤型」が主流であった。これは円盤の回転量で時限を持たせるアナログな機構であったが、現在はオペアンプやマイコンを用いた「静止型(電子式)」が主流となっている。静止型は可動部がないため耐震性に優れ、整定値の精度も電圧±5%、時間±10%以内と高精度である。

不足電圧継電器の拡大写真

整定値と瞬時電圧低下への対応

UVRの整定(セッティング)においては、動作電圧と動作時間のバランスが極めて重要である。一般的には、定格電圧の80%~85%(100V回路であれば80V~85V)程度を動作電圧とし、動作時間を2秒程度に設定する事例が多い。

この「2秒」という時限設定は、電力系統で頻繁に発生する「瞬時電圧低下(瞬低)」による不要動作を防止するためである。落雷などで数ミリ秒から数百ミリ秒程度の電圧低下が発生した際、即座に遮断器をトリップさせてしまうと、工場ラインの停止や広範囲の停電を招き、社会的・経済的損失が大きくなる。そのため、瞬低では動作せず、完全な停電や持続的な電圧低下のみを確実に検出できるタイムラグを持たせることがセオリーとなっている。

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